Project/Area Number |
23K23997
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Project/Area Number (Other) |
22H02734 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46030:Function of nervous system-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山口 正洋 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (60313102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 睦男 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 准教授 (10304677)
村田 芳博 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (40377031)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | 嗅覚 / 適応性 / 嗅結節 / シナプス入力 / 細胞サブタイプ / 嗅覚行動 / 反転学習 / 神経調節因子 |
Outline of Research at the Start |
嗅覚行動は高い適応性を持っている。申請者は、マウスの「嗅結節」に匂いの誘引・忌避行動に関わる機能領域(ドメイン)が存在すること、誘引行動に関わる特定のドメインが神経調節性シグナルに応じて嗅覚行動を適正化し、その際に異なる働きを持つ2種類の細胞サブタイプが行動を調節していることを見出した。本研究では、嗅覚行動における①価値の学習と再学習 ②神経調節性シグナルによる調節 を題材に、嗅覚行動の適応性を担うシナプス可塑性機構を嗅結節の機能ドメインと細胞種の構造・機能から明らかにする。本研究の成果は、高い適応性を担うシナプス機構の理解、嗅覚が関わる行動障害の病態理解と治療に資することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、マウスの「嗅結節」には匂いの誘引行動に関わる前内側ドメインと忌避行動に関わる外側ドメインが存在すること、前内側ドメインのドーパミン受容体1型発現細胞(D1細胞)の活性化が誘引的に、2型発現細胞(D2細胞)の活性化が忌避的に働くことを見出した。本研究は、マウスの嗅覚行動の高い適応性に着目し、適応性を担う神経機構を嗅結節の機能ドメインへの末梢性・中枢性シナプス入力とD1・D2細胞の機能分担に着目して明らかにすることを目的としている。 本年度は、①光遺伝学を用いた嗅球から嗅結節への末梢性シナプス入力、梨状皮質から嗅結節への中枢性シナプス入力活性化と、えさ報酬または電気ショックとの連合学習の解析を進め、光刺激したニューロンの嗅結節ドメインにおける軸索末端が学習依存的に大きく発達することを論文報告した。②シナプス入力活性化とえさ報酬の連合学習を行ったマウスに対し、電気ショックとの連合学習を行う「反転学習」の実験系を確立し、その間の嗅結節ドメインの電気的応答変化の解析を開始した。③食欲促進ホルモンであるオレキシンの受容体アンタゴニストを嗅結節前内側ドメインに局所投与すると匂いに対して誘引行動をとるマウスが忌避行動をとり、その際に前内側ドメインのD2細胞のみならず外側ドメインのD1細胞が活性化することを見出し、食欲調節ホルモンによる嗅覚行動の制御が嗅結節の細胞サブタイプおよびドメイン特異的に行われていることを明らかにした。④マウスの嗅結節スライスの電気生理学的解析により、オレキシンによるシナプス電位の増強作用が嗅結節前内側ドメインで観察されるのに対し外側ドメインでは観察されないことを見出し、オレキシンのドメイン特異的作用を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
嗅覚行動の適応性を担う神経機構を理解するにあたり、反転学習による適応性、神経調節性シグナルによる適応性の研究を推進し、一定の成果を得るとともに、更なる解析の基盤となる実験手法を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
嗅覚行動の適応性を担う嗅結節へのシナプス入力の可塑性、嗅結節の細胞サブタイプの特性理解に向けて、次年度は以下の点を重点的に進める。 ①反転学習の実験を進め、嗅結節ドメインのシナプス入力に対する応答変化の電気生理学的解析、シナプス末端の大きさおよびD1・D2細胞活性化状態の変化に関する組織学的解析を行う。 ②神経調節シグナルによる適応性に関して、オレキシン受容体の解析と同様に、メラノコルチン4受容体アゴニスト投与によるD1・D2細胞活性化の状態を明らかにする。 ③マウスの嗅結節スライスを用いてメラノコルチン4の作用を電気生理学的に検討する。 ④D1・D2細胞の特性についてパッチクランプ法による解析を行う。D1・D2細胞が蛍光蛋白を発現する遺伝子改変マウスから嗅結節スライスを作成し、蛍光を指標に細胞を特定し、シナプス可塑性や食欲調節ホルモンのシナプス機能への影響を解析する。
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