Project/Area Number |
23K24009
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Project/Area Number (Other) |
22H02746 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
椿 一典 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50303897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今吉 亜由美 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (20786462)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | CPL / 積層化 / 蛍光色素 / ビナフチル / ポリアミン / 励起状態 / 硫化水素 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、①オリジナリティーの高い蛍光色素の開発、②既存の蛍光色素の理論的見直しに基づく新たな機能の付与、③これまでの呈色応答性の分子から蛍光応答性の分子への機能変換、④蛍光応答性小分子の連結による、積層化に伴う新たな機能の開発を目指すものである。これらの研究を通じて、新たな方法論の開発や、学理の解明を目指すとともに、実用化も視野に入れた研究を展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
新たな蛍光色素の開発と応用をより発展するべく、① 新たな蛍光色素骨格の開発、② 生体を指向した蛍光応答性分子の創出、③ 蛍光色素の精密配置・積層化に基づいた円偏光発光 (CPL) 材料の開発、以上の三つのサブテーマの研究を通じて、理にかなった蛍光性分子の設計指針の構築と、蛍光色素研究を基盤とした新たな励起状態の化学の開拓を目指す。 三つのサブテーマの研究目的は以下のとおりである。 ① 新たな蛍光色素骨格の開発:様々な蛍光色素が次々と開発・報告されているが、我々は、低分子量ながら長波長吸収・長波長発光・高い量子収率を持つ化合物の創出を目的に研究をすすめる。そのために対称性に着目したV字型のπ系化合物、およびホウ素・窒素・酸素・硫黄などのヘテロ原子を組み込んだπ系化合物を合成し、機能を評価する。 ② 生体を指向した蛍光応答性分子の創出:呈色応答型のポリアミン検出色素の研究は長年行ってきているが、これを蛍光応答型へと変換し、実用化を目指した研究を行う、また高い選択性を持ち、迅速に応答する硫化水素検出蛍光色素の開発を行う。 ③ 蛍光色素の精密配置・積層化に基づいた円偏光発光 (CPL) 材料の開発:トポロジーに着目し、ビナフチル骨格に着目してコンパクトなキラル蛍光分子を見出す。さらに見出したキラル蛍光分子を精密配置または積層化させた化合物の合成を行い、高い活性を示すCPL発光分子の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三つのサブテーマの進捗状況は以下のとおりである。 ① 新たな蛍光色素骨格の開発:これまでに合成した非対称型V字型蛍光色素との物性の比較を行うために、前年度に引き続き、対称型で同じ置換基を導入した化合物の合成と評価を行った。当初合成を計画していた化合物はすべて合成することができた。また光学特性などの物性評価も終了した。その結果、対称型の方が吸収・発光波長が短波長側にシフトすることや、蛍光量子収率が向上することを見出した。またフルオレセインの酸素原子を、順次硫黄に置き換えたチオフルオレセインの網羅的合成も完了した。硫黄を導入する位置により、蛍光応答が消失するなど興味ある特徴を見出した。 ② 生体を指向した蛍光応答性分子の創出:昨年度ポリアミン検出用の蛍光応答性分子について、最も基本的な構造を持つ化合物の合成を達成したが反応工程数の多さから物量確保が困難であった、今期はこの化合物の別途合成法に取り組み、格段に短工程での合成法の開発に成功した。またこの方法を用いて類縁体の合成を行っている。 ③ 蛍光色素の精密配置・積層化に基づいた円偏光発光 (CPL) 材料の開発:これまでの研究からビナフチルに着目し、その二面角を最適化した構造を見出している。この骨格にフェニルアセチレンを導入可能な位置に網羅的に導入した化合物の開発が完了し、その機能評価も行った。さらに二面角を固定化しさらに、ラダー型で積層化した化合物の合成にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
三つのサブテーマのおおむね順調に進んでおり、今後の方針は以下のとおりである。 ① 新たな蛍光色素骨格の開発:対称型V字型蛍光色素については、現時点の研究成果をまとめ論文を作成する。硫黄置換フルオレセインの網羅的合成と機能化については、化学計算を実施し、実験結果を理論的に解釈し、論文の作成を目指す。さらに合成した対称型および非対称型V字型蛍光色素の積層化を行う。 ② 生体を指向した蛍光応答性分子の創出:合成法を見出した経路にて化合物の物量の供給と、機能化を行う。特に生体系を意識し、機能を発揮する条件(溶媒等)の精査を行う。 ③ 蛍光色素の精密配置・積層化に基づいた円偏光発光 (CPL) 材料の開発:ラダー型の化合物については、計算化学を併用し機能を合理的に説明する。さらにピレン環のエキシマーを利用し高いg値を示す化合物の創出を目指す。また合成に目途が立ちつつあるラダー型のオリゴナフトフラン類についても8量体の合成を目指す。
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