Project/Area Number |
23K24015
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Project/Area Number (Other) |
22H02752 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47020:Pharmaceutical analytical chemistry and physicochemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱瀬 健司 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10284522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 健行 九州大学, 薬学研究院, 講師 (50294963)
石井 千晴 九州大学, 薬学研究院, 助教 (90905308)
猪阪 善隆 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00379166)
木村 友則 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい准教授 (00631300)
井手 友美 九州大学, 大学病院, 講師 (90380625)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | キラルアミノ酸 / 光学分割 / 多次元HPLC / 腎不全 / 早期診断 |
Outline of Research at the Start |
血中・尿中キラルアミノ酸の網羅的定量により、非侵襲・低侵襲での腎不全の早期診断、原因疾患鑑別マーカーを探索する。腎不全は慢性型の患者が多く、早期診断が予防と治療に直結する。応募者は予備試験で、キラルを識別した正確なアミノ酸定量により腎不全の鋭敏なマーカーが発見でき、血中・尿中の含量比較により原因疾患の鑑別が可能であるという結果を得た。そこで本研究では多次元HPLCにより網羅的定量法を開発し、多数の臨床検体を用いた含量解析を行うと共に動物モデルによる機序解析を行う。本研究の達成は侵襲性の低い血液・尿分析による腎不全の早期診断、原因疾患鑑別を可能とし、人々の健康寿命延長に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
臨床検体において微量キラルアミノ酸の網羅的、かつ正確な定量を可能とする三次元・四次元HPLC分析を実現するため、2023年度は、これまでマーカーとしての可能性が指摘されながら正確な定量が達成されていなかったキラルアミノ酸の分析法開発を継続的に推進した。特に2022年度までに基盤技術の開発に成功したトリプトファン、塩基性アミノ酸、システイン、アロイソロイシンおよびアロスレオニンについて、オンラインで逆相・イオン交換・光学分割カラムを接続した全自動三次元LC/LC/LC装置、逆相・ミックスモード・光学分割カラムを接続した全自動三次元LC/LC/LC装置、逆相・逆相・光学分割カラムを接続した全自動三次元LC/LC/LC装置を開発した。また逆相、光学分割カラムにタンデム質量分析を接続したオンライン四次元LC/LC/MS/MS装置を構築した。
2022年度までに大阪大学医学部腎臓内科と共同で収集した「腎生検により原因疾患が判明している中軽度の腎不全患者試料(合計百検体程度)」について、2023年度は血液および尿検体におけるキラルアミノ酸分析を実施した。原因疾患は、IgA腎症、膜性腎症、微小変化型ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、高血圧性腎症、ループス腎炎としてD-SerおよびD-Asnの分析を実施したが、明瞭な変化は認められず、他のキラルアミノ酸を含めた更なる検討が期待された。
また、2022年度までに九州大学医学部循環器内科と共同で収集した健常人検体について、2023年度は血液および尿試料におけるキラルアミノ酸分析を実施し、健常人では血中キラルアミノ酸含量が低値に制御されていることを示し、今後のマーカー探索において有用な知見を得た。併せて中規模試験を実施するための多検体分析法として、D-SerおよびD-Asnを対象とする迅速分析法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、2022年度に微量分析の基盤技術を開発したトリプトファン、塩基性アミノ酸、システイン、アロイソロイシンおよびアロスレオニンについて、オンライン全自動三次元LC/LC/LC装置・オンライン全自動四次元LC/LC/MS/MS装置の構築に成功した。また、大阪大学医学部腎臓内科と共同で腎生検により原因疾患が判明している中軽度の腎不全患者について、血液および尿検体の分析を遂行すると共に、健常人におけるキラルアミノ酸含量変動を明らかにしており、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2022年度までに大阪大学医学部腎臓内科と共同で収集した「腎生検により原因疾患が判明している中軽度の腎不全患者試料(合計百検体程度)」について、血液および尿検体におけるキラルアミノ酸分析を引き続き実施する。
また、九州大学医学部循環器内科と共同で収集した健常人検体について、血液および尿試料におけるキラルアミノ酸分析を実施し、バイオマーカーとしての信頼性評価を行う。健常人の血液および尿試料は様々な年齢層、性別、生活習慣を有する被験者から採取し、食品、飲料の摂取、日周・月周リズムについても検討する。
これらの検討結果から分析対象とするキラルアミノ酸を選定し、マーカーとしての可能性が認められたキラルアミノ酸について、多検体分析を実施するための迅速定量法を開発する。三次元・四次元一斉分析法は極めて高い選択性のトレードオフとして分析時間が長く、多検体分析ではスループットの向上が必須である。一方で血液・尿分析においては迅速化に際しても選択性の維持が必須であり、多次元HPLCの利用が不可欠である。応募者はキラルHPLC用の固定相を全て自作しており(特許5977765号など)、各次元に利用する充填剤の内部構造制御と最適化を行い、対象アミノ酸に特化した迅速多次元分析法を構築する。
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