Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
腸管は体の「内なる外」であり、経口摂取した食物、腸内細菌が体内へ漏出するのを防ぐ物理的バリアとして重要である。しかしバリア機能は加齢と共に低下し、加齢関連炎症疾患の悪化原因となる。本研究は老化研究の優れたモデル生物であるショウジョウバエを用いて、腸管上皮組織の老化による機能低下の分子機構を解明する。我々はこれまでに、腸管上皮損傷の修復の過剰が慢性的に継続することが、老齢時のバリア破綻の原因となることを示してきた。本研究は、修復応答の制御不全という観点から、加齢依存的な腸管バリア機能破綻機構の発端と増悪ステップ、腸内常在菌の関与を統合的に理解し、加齢関連炎症疾患に対する創薬の知的基盤を提供する。