Project/Area Number |
23K24025
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Project/Area Number (Other) |
22H02762 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中嶋 悠一朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (90782152)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | 脱分化 / 幹細胞 / 栄養 / 腸管 / ショウジョウバエ |
Outline of Research at the Start |
腸管上皮は、幹細胞を起点とした細胞の分化とターンオーバーの協調によって恒常性が維持されるが、損傷応答や腫瘍形成においては分化細胞が幹細胞へと脱分化する細胞可塑性を示す。一方、腸管上皮の脱分化が生理的な状況下で誘導されるのかは明らかでなく、脱分化の人為的な制御は未到達の課題である。申請者は、ショウジョウバエ腸管上皮をモデルとして、栄養環境の変動が分泌性細胞から幹細胞への脱分化を誘導する、新規の細胞可塑性を見出している。本研究では、遺伝学的解析とシングルセル解析によって、栄養依存的な脱分化を制御する分子メカニズムを明らかにし、脱分化の生理的意義を組織や個体レベルで解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
腸管上皮は、幹細胞を起点とした細胞の分化とターンオーバーの協調によって恒常性が維持されるが、損傷応答や腫瘍形成においては分化細胞が幹細胞へと脱分化する細胞可塑性を示す。一方、腸管上皮の脱分化が生理的な状況下で誘導されるのかは明らかでなく、脱分化の人為的な制御は未到達の課題である。申請者は、ショウジョウバエ腸管上皮をモデルとして、栄養環境の変動が分泌性細胞から幹細胞への脱分化を誘導する、新規の細胞可塑性を見出している。そこで本研究では、遺伝学的解析とシングルセル解析によって、栄養依存的な脱分化を制御する分子メカニズムを明らかにし、脱分化の生理的意義を組織や個体レベルで解明することを目的としている。 本年度は、昨年度から進めていた栄養変化に伴う脱分化の仕組みを1)栄養素、および2)シグナル経路、の観点から進めた。ショウジョウバエの合成エサを用いたアプローチから、糖とアミノ酸が脱分化に必要な主要栄養素であることを明らかにした。また、分泌性細胞におけるJAK-STAT経路が脱分化に関与することを遺伝学的に明らかにした。さらに、シングルセル解析から、脱分化しやすい分泌性細胞の一群として、神経ペプチドAstCを発現する細胞集団を見出し、その性質を遺伝学的にも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、遺伝学的解析とシングルセル解析によって、腸管上皮における栄養依存的な脱分化を制御する分子メカニズムを明らかにし、脱分化の生理的意義を組織や個体レベルで解明することを目指している。本年度までに、脱分化に必要な主要栄養素とシグナル経路を同定し、さらにscRNA-seqと続く細胞系譜解析からAstC発現分泌性細胞が脱分化しやすい特徴を備えていることを明らかにしている。また、数理モデリングおよび遺伝学操作によって脱分化細胞を操作することで、脱分化細胞の存在が腸管上皮の適応成長に寄与することを見出している。これらの成果を学術雑誌Developmental Cellに投稿して受理されている(Nagai et al., Developmental Cell 2023)ことからも、進捗状況は良好といえる。また、分野におけるインパクトのある研究を進めていることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、栄養依存的な生理的脱分化を誘導する仕組みの解明と生理的意義についてさらに理解を進める。JAK-STAT経路が栄養環境に応じて変動する仕組みをリガンドの発現/受容に注目して解析する。また、脱分化についてこれまで若齢個体の雌での解析をメインとしてきたが、脱分化の頻度が生涯にわたって変容するのか、性差があるのかなどは明らかでない。脱分化の制御によって幹細胞プールを操作することが可能か、という視点も導入して今後は脱分化の意義について迫っていきたい。
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