Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
がん化学療法においてがん細胞が細胞死を伴わず不可逆的に増殖停止する「治療誘導性細胞老化(TIS)」という現象がある。このがん細胞がその後、悪性度を増した状態で再増殖するとされ、TISはがん根治を妨げる要因と考えられている。申請者は、抗がん剤によるがん細胞のTISへの運命決定において、ATRがカギを握る重要な分子であることを見出し、ATRを標的とすることでがん細胞をTISから細胞死へと効率よく運命転換できることを示唆する結果を得た。本研究計画では、TISへの運命決定機構の分子メカニズム解明と「老化から細胞死への運命転換による新たながん治療戦略」のための理論基盤を構築を目指す。