ヒト前頭葉脳オルガノイドを起点としたin vitro病態モデルを用いた創薬戦略
Project/Area Number |
23K24034
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Project/Area Number (Other) |
22H02771 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (60455334)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アセンブロイド / 神経回路 / 機能創発 / 構成論的アプローチ / 定量生物学 / 神経オルガノイド / CRISPR-Cas9 / 前頭葉 / 視床 / 領域間相互作用 / 神経回路トレーシング / シナプス / オルガノイド / パターニング / ゲノム編集 / 透明化 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Research at the Start |
創薬開発において神経・精神疾患分野で新薬が承認される確率は極めて低い。その原因として、統合失調症などの精神疾患では、ヒト高次脳機能を担う前頭葉に機能異常が認められるにも関わらず、ヒト前頭葉の機能を模した評価系がないことが挙げられる。この問題点を解決するために、本研究では、ヒト多能性幹細胞由来の前頭葉オルガノイドを用いてヒト前頭葉機能をin vitroで再現する。特に視床との連関に着目し、大脳皮質視床アセンブロイドを作製することで、ヒト神経回路を再構成する。さらに、in vitroヒト前頭葉病態モデルを作製し、分子・回路病態および薬理作用の解析を通じて新たな創薬戦略を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
創薬開発において神経・精神疾患分野で新薬が承認される確率は極めて低い。その原因として、統合失調症などの精神疾患では、ヒト高次脳機能を担う前頭葉に機能異常が認められるにも関わらず、ヒト前頭葉の機能を模した評価系がないことが挙げられる。この問題点を解決するために、本研究では、ヒト多能性幹細胞(iPS細胞)から前頭葉オルガノイドと異なる脳領域オルガノイドを誘導し、それらを融合させることで前頭葉アセンブロイドを作製し、領域間相互作用をin vitroで再構成し、ヒト前頭葉機能をin vitroで再現することを目指す。 まずヒト脳における大脳皮質と視床の相互作用をin vitroで再構成するために、前年度にCRISPR-Cas9により樹立した緑色蛍光タンパク質のEYFPをKnock-inしたヒトiPS細胞株と、赤色蛍光タンパク質のmCherryをKnock-inしたヒトiPS細胞株を使用し、ヒトiPS細胞より大脳皮質オルガノイドと視床オルガノイドを誘導した。EYFPで標識した大脳皮質オルガノイドとmCherryで標識した視床オルガノイドを誘導し、大脳皮質-視床アセンブロイドを作製した。大脳皮質-視床アセンブロイドの領域間相互作用として軸索投射に着目した。EYFPで標識された大脳皮質オルガノイドの軸索が視床オルガノイド側に進展し、mCherryで標識した視床オルガノイドの軸索が大脳皮質側に進展した。アセンブロイドを透明化して、双方向性の軸索投射を経時的に定量評価した。 次に、アセンブロイド内で形成される双方向性の軸索投射によりシナプスが形成されているかを評価するために、ウイルスベクターを用いた神経回路トレーシング法を用いることを考えた。神経回路トレーシング法を使用するために、ウイルス受容体およびウイルスエンベロープ糖タンパク質を発現するヒトiPS細胞株、コントロールとしてウイルス受容体のみを発現するヒトiPS細胞株をCRISPR-Cas9を用いて樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト脳の領域間相互作用をin vitroで再構築するために、ヒトiPS細胞から大脳皮質オルガノイドと視床オルガノイド、さらにはアセンブロイドの作製に成功し、軸索投射などの領域間相互作用の組織学的な解析が進んでいることから、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ウイルスベクターや2光子イメージング、光遺伝学などを用いて、アセンブロイド内のシナプス形成や神経活動などの評価を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(32 results)