Vascular remodeling formation starting from pioneer cell generation through excitation-transcription coupling
Project/Area Number |
23K24036
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Project/Area Number (Other) |
22H02773 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47040:Pharmacology-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 良明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (80707555)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | カルシウムシグナリング / 血管平滑筋細胞 / 興奮転写連関 / 血管リモデリング / 興奮転写連関(E-T coupling) / 光遺伝学 / CaMKK2 / 血管平滑筋 / カベオラ / 蛍光イメージング |
Outline of Research at the Start |
血管平滑筋細胞の脱分化・増殖は、血管リモデリング疾患につながるが、その発症および成熟機構は不明である。最近、クローン増殖説が報告され、一部の分化型平滑筋細胞の先駆細胞化とクローン増殖により、リモデリングが発症・成熟すると想定される。しかし、先駆細胞化やクローン増殖の機序は不明である。申請者は一連の研究から、持続的なCa2+濃度上昇が、興奮転写連関を介した先駆細胞化と細胞増殖を誘発するという仮説に至った。本研究では、リモデリング発症および成熟機構を解明することで、リモデリング形成の全容解明と、血管リモデリング疾患の発症および進行を防ぐ画期的治療法の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
血管平滑筋細胞のカベオラ内にCav1.2-CaMKK2-CaMK1α分子複合体が形成されることを見出した。脱分極刺激によるCav1.2チャネルが活性化して、流入したCa2+がCaMKK2およびCaMK1αを活性化すること、またCaMKK2がCaMK1αを完全に活性化してその核移行を誘発することを発見した。これにより、核内で転写因子CREBのリン酸化が起こり、Ca2+シグナルがマクロファージの遊走・浸潤を促進する遺伝子群の転写に変換された(この過程をExcitation-transcription couplingと呼ぶ)。実際にマウス生体で腸間膜動脈に対して圧負荷をかけたところ、平滑筋細胞におけるCREBのリン酸化と血管外膜へのマクロファージの遊走が観察された。また、血管中膜の肥厚も検出された。一方で、cav1-KOマウスやCaMKK2阻害薬STO609を投与したマウスではこれらの反応が減弱された。この一連の研究により、血管障害後のマクロファージの集積および血管リモデリングの発生に関する分子メカニズムの一端が明らかになった(Suzuki Y et al., PNAS, 2022; Suzuki Y et al., Biol Pharm Bull, 2022)。 Jackson研究所より、SM22-CreマウスとAi32 (RCL-ChR2(H134R)/EYFP)マウスを入手し、交配させることで分化型SMC特異的ChR2発現マウス(SMC-ChR2)を作製した。青色LEDを用いた光刺激により、血管平滑筋細胞内で細胞内Ca2+濃度が上昇する系を立ち上げることに成功した。 CaMKK2活性に対する薬効を生細胞内でアッセイすることができる系を立ち上げた。現在までに、HEK293細胞あるいはHela細胞にhCaMKK2とその活性を測定するFRET probeを発現させることで、既知のCaMKK2阻害薬の効果を評価することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Excitation-transcription coupling に関する研究は、これまで神経細胞や心筋細胞を中心に発展してきた。血管平滑筋細胞でもExcitation-transcription couplingの存在が知られていたが、詳細な分子機構や誘導される遺伝子、生理的意義、病態との関連は不明であった。これに対して、我々の一連の研究によりカベオラ内に形成されたカルシウムマイクロドメインを基盤とした分子機構や血管リモデリングとの関連が明らかになった。本研究成果は2つの論文として発表された(Suzuki Y et al., PNAS, 2022; Suzuki Y et al., Biol Pharm Bull, 2022)。 分化型SMC特異的ChR2発現マウス(SMC-ChR2)と青色LEDを用いた光刺激を組み合わせることにより、血管組織内で血管平滑筋のみに脱分極刺激を与えることに成功した。 共焦点顕微鏡を用いたマニュアル操作ではあるものの、CaMKK2活性に対する薬効を生細胞でアッセイする系の立ち上げに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集技術によりCaMKK2-KOマウスを作出した(熊本大学との共同研究)。このマウスを用いて血管平滑筋細胞のExcitation-transcription couplingに対するCaMKK2の役割を細胞から個体レベルで詳細に解明する。 分化型SMC特異的ChR2発現マウス(SMC-ChR2)由来の血管脈組織を用いたex vivo解析と、生きたマウスを用いたin vivo解析により、青色LEDを用いた光刺激がExcitation-transcription couplingを引き起こし、マクロファージの遊走や血管リモデリングを引き起こすか検証する。 現在の3.5mm dishをベースとしたCaMKK2アッセイ系を、96ウェルプレートをベースとした系に拡大する。また作業工程をシンプルにして手作業を減らし、化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを実施する。 増殖型血管平滑筋細胞では、Orai/STIM複合体から成るCRACチャネルの発現が増大して、細胞内Ca2+濃度上昇が細胞増殖や遊走を促進する。我々は、増殖型血管平滑筋細胞において、CRACチャネルを中核とする新たなCa2+マイクロドメインを同定した。このCa2+マイクロドメイン構成分子が細胞増殖、特に血管リモデリングの成熟に対する役割を解明する。
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Report
(1 results)
Research Products
(23 results)