Project/Area Number |
23K24101
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Project/Area Number (Other) |
22H02839 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30282122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 賢吾 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60332293)
海野 倫明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70282043)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 膵臓がん / 胆道がん / オルガノイド / ゲノム / 化学療法 / 膵管内腫瘍 / がん関連線維芽細胞 / 分子標的 |
Outline of Research at the Start |
本研究は実臨床において一定のプロトコールの下よくコントロールされて実施された術前化学療法後に切除された膵臓胆道がんの化学療法奏功例と非奏功例におけるがんのゲノムや遺伝子発現、及び、ホストである患者のゲノム多型を解析することで化学療法感受性・抵抗性に関与する分子を抽出し、オルガノイド培養細胞の樹立、使用を含む機能解析を行なって化学療法感受性への関与を明らかにし、それらをバイオマーカーとする化学療法感受性予測、標的化による化学療法抵抗性克服法の開発を行うことで膵胆道がんの予後改善に寄与する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. 化学療法を施行した例を含む膵・胆道がん外科切除患者から至適培養条件の検討を行いながら継代可能な腫瘍オルガノイド及びがん関連線維芽細胞(CAF)の培養細胞株を樹立し、ゲノム解析、トランスクリトーム解析、病理組織学的解析を行ってその遺伝子型、表現型を検討した。腫瘍オルガノイドのゲノム・トランスクリプトーム解析から候補となる治療標的の同定及びそれに対する分子標的薬のオルガノイドに対する作用を、特徴的な遺伝子異常に基づく合成致死治療法の開発を主眼に置きながら検討した。腫瘍オルガノイドとCAFの3次元マトリックス中での培養を行い、それらの相互作用をin vitroで解析可能であることを確認し、その相互作用の詳細について検討した。 2.膵がん切除後の残膵に発生した膵がん切除例を集積し、先行膵がんと残膵がんとのゲノム解析による比較を行って残膵がん発生の分子機序について検討した。 3. 増殖・浸潤様式が不明である膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)についてオルガノイドを樹立し、そのマトリックス中での増殖様式を解析し、IPMNオルガノイドにおける粘液分泌機序、浸潤機序の検討を行なった。 4. 病態が不明な膵腫瘍である膵管内オンコサイト型腫瘍(IOPN)のドライバーであるATP1B1::PRKACA/B, DNAJB1::PRKACA融合遺伝子がIPMNにしばしば部分的に認められるオンコサイト型腫瘍の発生において、既存のIPMNに遺伝子融合が新たに蓄積することによって生じていることを明らかにし、IPMNがIOPNの表現型を持つ腫瘍に変化しうることを示して、論文発表を行なった。この結果は、IPMNとIOPNの病理学的な異同の概念にパラダイムシフトをもたらすものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で予定していた患者由来オルガノイドを用いた多角的解析を進めることができた。膵・胆道がんオルガノイドとCAFとの関連についてデータを得ることができ、また、残膵がん発生の分子機序解明、及び、詳細な増殖浸潤機序、粘液分泌機序が不明であるIPMNの解析、さらには、病態が不明でIPMNとの異同について議論のあるIOPNの発生進展機序に重要な知見を得ることができ、当初目的に沿って膵・胆道がんの治療抵抗性機序解明に多角的にアプローチできている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者由来オルガノイドを用いた多角的解析を中心に研究を続行していく。具体的には、患者由来膵・胆道がんオルガノイドとCAFとの相互作用における分子発現関連の空間トランスクリプトームによる解析、マトリックス中での増殖、浸潤、粘液分泌機序の機能的解析、ゲノム解析に基づく個別化分子標的治療法の開発を進める。
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