Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
内在性レトロウイルス(ERV)は進化の過程でゲノムに挿入されたレトロウイルス配列で、宿主の発生や生理機能をかく乱しない様、厳密なサイレンシングを受けている。申請者は、がんにおいてERVのサイレンシングを解除することができれば、(1)2本鎖RNAとして宿主免疫系を刺激する(2)周囲の炎症性遺伝子のプロモータ、エンハンサー配列として働く、(3)新規がん抗原として免疫細胞の攻撃対象となることより、がんにおいては望ましい免疫活性化に寄与するという仮説を持った。本研究では、既存のERV抑制因子をがんにおいて阻害し、ERVの脱抑制に伴う発現を試みることで、ERVのがん免疫反応への関与を検討する。