内在性レトロウイルス抑制因子による、がん免疫寛容機構の基盤研究
Project/Area Number |
23K24114
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Project/Area Number (Other) |
22H02852 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | The University of Tokyo (2024) Keio University (2022-2023) |
Principal Investigator |
竹馬 俊介 東京大学, 定量生命科学研究所, 客員准教授 (50437208)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
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Keywords | 免疫寛容 / がん免疫 / 内在性レトロウイルス / 遺伝子サイレンシング / Tリンパ球 / Tリンパ球 |
Outline of Research at the Start |
内在性レトロウイルス(ERV)は進化の過程でゲノムに挿入されたレトロウイルス配列で、宿主の発生や生理機能をかく乱しない様、厳密なサイレンシングを受けている。申請者は、がんにおいてERVのサイレンシングを解除することができれば、(1)2本鎖RNAとして宿主免疫系を刺激する(2)周囲の炎症性遺伝子のプロモータ、エンハンサー配列として働く、(3)新規がん抗原として免疫細胞の攻撃対象となることより、がんにおいては望ましい免疫活性化に寄与するという仮説を持った。本研究では、既存のERV抑制因子をがんにおいて阻害し、ERVの脱抑制に伴う発現を試みることで、ERVのがん免疫反応への関与を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、内在性レトロウイルス(ERV)抑制の主要因子であるTRIM28分子が免疫細胞で強くリン酸化を受けている事、このリン酸化が老化マウスで低下する事、TRIM28分子を欠損したマウスではヘルパーT細胞活性化を伴う自己免疫疾患を発症したり、ERV脱抑制を伴う炎症反応が起こったりする事を報告してきた。がんにおいてTRIM28は悪性化因子とされ、TRIM28によるERV抑制を介したインターフェロン反応の抑制が考えられた。腫瘍と、これを攻撃する免疫細胞の両者についてTRIM28の阻害効果を明らかとすることを目的とする。 まずThe Cancer Genome Atlas (TCGA)を解析する事で、ヒトがんにおけるTRIM28の発現を調べたところ、TRIM28の発現量に患者間で多きな多様性があること、TRIM28の発現量と生命予後が逆相関する事がわかった。興味深い事に、TRIM28を高発現する多くのがんにおいては腫瘍組織のpurityが高く、T細胞の浸潤度が低い事がわかった。これは、TRIM28が、有用な免疫細胞の浸潤を抑制しているという事を示唆する。 次に、免疫細胞におけるTRIM28欠損マウスについて、同系腫瘍移植モデルを行ったところ、野生型マウスに比して顕著な腫瘍成長の低下が見られた。TRIM28欠損マウスにおいては腫瘍浸潤T細胞の増加が起こり、一方で免疫抑制を起こす制御性T細胞の浸潤が低下していた。以上の結果から、TRIM28の阻害は腫瘍免疫を増強すると考えられた。 また、スクリーニングによってTRIM28の阻害薬候補を数種類見出し、いくつかの化合物についてがんにおける効果を検証した。予想に反して、PKD阻害薬が強くT細胞を抑制する事を見出した。がん治療という側面からはネガティブデータではあったが、自己免疫疾患の治療には有用であることがわかり、論文報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TRIM28が腫瘍そのものの成長、および腫瘍免疫の両方に関わるデータを得られた。TRIM28を標的とした阻害剤についても免疫反応を大幅に制御するものが複数得られており、当初目的を達成していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトがんについては、TRIM28低発現の患者にHERVが新規抗原として発現するか否かの検討を行う。TRIM28欠損マウスにおける腫瘍免疫の増強についてメカニズムを解析する。TRIM28阻害剤については、引き続き同系腫瘍移植モデルを用いて阻害剤候補の免疫増強効果を検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)