細菌由来リスク因子に着目した尿路病原性大腸菌による腎盂腎炎発症と難治化機構の解明
Project/Area Number |
23K24126
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Project/Area Number (Other) |
22H02864 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
平川 秀忠 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80431758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴江 一友 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00333485)
村上 正巳 群馬大学, その他部局等, 特別教授 (30241871)
木村 鮎子 群馬パース大学, 医療技術学部, 講師 (50553616)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 尿路感染症 / 薬剤耐性 / バイオフィルム / 病原性 / 感染制御 / 腎盂腎炎 / 発現制御 / 情報伝達 |
Outline of Research at the Start |
尿路病原性大腸菌(UPEC)は、膀胱感染後に腎臓へ感染し、難治性の腎盂腎炎を発症させる。本研究では、腎盂腎炎を発症させるための本菌由来の責任因子を同定することにより本疾患発症の分子メカニズムの解明を目指す。上記の責任因子は、腎盂腎炎の発症と難治化の高リスク株を特定する診断マーカーだけでなく、治療標的になることが期待される。そこで、責任因子の情報を利用した迅速診断法の構築並びに、治療標的としての可能性を検証する。将来的に、UPECによる尿路感染症の難治化、慢性化のリスク予測や感染責任因子を標的とした新規治療薬の設計、開発に向けた応用研究への足掛かりとなる基盤を作製し、尿路感染症の克服に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、尿路病原性大腸菌(UPEC)が腎盂腎炎を発症させるための本菌由来の責任因子を同定することにより本疾患発症の分子メカニズムの解明を目指す。UPECは、腎臓上皮細胞に感染しバイオフィルム様のマイクロコロニーを形成することが知られている。UPECのマイクロコロニーは、腎盂腎炎の病態形成に加えて抗菌薬に対して抵抗性を示すことから本感染症の難治化に繋がる大きな要因となっている。本計画では、ゲノムワイドスケールでUPECのマイクロコロニー形成に 寄与する因子の同定を行うこととする。本研究2年目では、初年度に行ったスクリーニングから見出したUPECのマイクロコロニー形成に寄与する候補遺伝子(tosRとtusDCB)について、実際にマイクロコロニー形成と経尿道感染マウスに対する病原性に寄与するか否か欠損株を作製し、検証を行った。その結果、これらの遺伝子がマイクロコロニー形成並びに、病原性に寄与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究2年目では、初年度に行ったスクリーニングの結果、見出したUPECのマイクロコロニー形成に寄与する候補遺伝子について、欠損株を作製し機能解析を進めた。スクリーニングにより見出した4種類の遺伝子のうち、2つ(ackAとpta)は前年度までに解析が終了しており、2年目は、残り2つ(tosRとtusDCB)について、マイクロコロニー形成と経尿道感染マウスに対する病原性との関係について詳細に解析を行い、その機能の解明に成功した。その成果については、1つがFrontiers in Microbiology誌に掲載済みであり、もう1つは論文投稿中である。UPEC標準株に加えて代表者と分担者の所属機関から高病原性および、多剤耐性UPECの臨床分離株を入手し、ゲノム解析を含めた遺伝学的情報の収集を行う予定であったが、概ね完了している。その成果については、現在論文投稿準備中である。さらに、その中から高病原性株を1株選定し、高病原性に起因する遺伝子のスクリーニングを標準株で行った際と同様の方法(トランスポゾン変異導入法とプロテオーム解析を導入)で行っている。以上の成果から、進捗状況として「(2)おおむね順調に進展している」と評価するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当高病原性株から、スクリーニングによって高病原性の原因となりうる候補遺伝子を同定する。候補遺伝子の欠損株を作製し、in vitro、ヒト尿路系上皮細胞モデル、in vivo UTIマウスモデルを用いて、マイクロコロニー形成と病原性への寄与について解析を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)