Project/Area Number |
23K24130
|
Project/Area Number (Other) |
22H02868 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 孝志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10598858)
村瀬 一典 京都大学, 医学研究科, 助教 (40710869)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
|
Keywords | 細菌感染 / ゼノファジー / ユビキチン / A群レンサ球菌 / A群レンサ球菌 / ESCRT / Rab41 / SLO / VPS4 / 自然免疫 / 糖鎖認識 / 認識 / GBP1 / ガレクチン3 / TBK1 |
Outline of Research at the Start |
自然免疫における新領域として注目されているゼノファジーは、ユビキチン依存的な選択的分解システムである。我々は近年、病原細菌の表層糖鎖構造をユビキチンリガーゼ複合体が直接認識することを明らかにした。そこで本研究では、我々が発見した表層糖鎖認識を介した細菌のユビキチン化をモデルとして、小分子可視化プローブやイメージング技術を駆使することで、感染時におけるユビキチンリガーゼや鎖特異的ユビキチン鎖の細胞内挙動を解析し、ゼノファジーによる細菌認識メカニズムを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
選択的オートファジーの一種であるゼノファジーは、細胞質内に侵入した細菌等の病原体を標的とする細胞自律性免疫の一種であり、最終的に病原体を取り込んだ小胞をリソソームへと運ぶ膜輸送である。この細胞質での菌のユビキチン化は菌の認識に対して必須であるが、細菌種の産生する様々な因子によって膜そのものは障害を受けている。しかし、どのようにゼノファジー膜そのものの膜恒常性維持システムは不明である。今年度では、膜輸送に必要なエンドソームソーティング複合体(ESCRT)機構が、細菌毒素によって傷害されたゼノファゴライソソームの恒常性を維持するために必要であり、この機構はAAA-ATPase VPS4をリクルートするTOM1L2-Rab41経路を介して制御されていることを明らかにした。我々は、このゼノファゴリソソームの酸性化を指標に、酸性化の維持に関わるRab GTPaseをスクリーニングし、Rab41が重要であることを明らかとした。さらに、共焦点顕微鏡観察により、生理的なオートファゴリソソームには局在しないESCRT構成因子がゼノファゴライソソーム全体に誘導されていることを明らかとした。このESCRTの局在は、A群レンサ球菌のサイトリジンであるSLOに対するintrabodyの発現によって阻害されたことから、ESCRTは膜障害を起こす医細菌毒素に応答してゼノファゴライソソームの膜恒常性維持に必須な因子として機能していることが示された。Rab41はアダプタータンパク質TOM1L2を介して損傷したオートファジー膜に移動し、VPS4をリクルートしてESCRTを介した膜修復を完了させることでゼノファジーによる細菌の効率的な除去に重要であることを明らかとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究経過として、Nature Communications誌に論文が掲載された。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)内在性ユビキチン化関連タンパク質の可視化技術の構築 これまでのユビキチン化研究の多くは、細胞を破砕してまとめて解析する生化学的な解析や、GFPに代表される蛍光タンパク質を目的の生体分子に遺伝子的に融合し細胞内で発現させることで細胞内局在や動態を解析していたが、元々細胞が持つ「内在性」のタンパク質の本来の感染時の挙動を見落としている可能性、また本来とは異なる可能性が示唆されている。そのため、従来の計画では小分子プローブを用いる予定であったが、小分子プローブのタグをつけることでユビキチン化の障害となっていることが明らかとなった。現在、ユビキチン鎖特異的な抗体を用いての可視化を行っている。
2)細菌成分のユビキチン化制御機構解析 細胞内での細菌のユビキチン化機構として、1年目では糖鎖認識のFBXO2を同定した。近年、菌体のユビキチン化に関わるタンパク質モチーフとしてDegronモチーフが注目されている。そこで、A群レンサ球菌の表層タンパクや分泌毒素等での検索を行ったところ、菌体の認識に関わる分子として新たにE3 ligaseであるSIAH1が候補として上げられた。現在、SIAH1がどのような分子を認識するのかについての詳細な解析を行っており、PSVPモチーフをもつ菌体分子がそのターゲットとなる点について解析を進めている。
|