Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
本研究では、鉄代謝因子の重要な転写抑制因子であるBACH1の膵臓癌転移促進機序の解明と、その機序を利用した膵臓癌の新規悪性化防御法の提案を試みる。これまで申請者は、複数の鉄代謝関連遺伝子の転写抑制を担う転写因子BACH1が膵臓癌細胞の複数の細胞間接着因子の発現を直接転写抑制しより強力に転移を促すことを見出した。しかし、細胞間接着因子の発現の抑制は必ずしもBACH1の直接的な転写制御によるものではなかった。近年、鉄は発癌だけでなくその再発や転移にも関与する可能性が示唆されている。そこで、BACH1が癌細胞中の遊離鉄量を増加させることで、膵臓癌の転移を促進しているという仮説を立てこれを実証をする。