Project/Area Number |
23K24161
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Project/Area Number (Other) |
22H02900 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 佐千枝 (平塚佐千枝) 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60313087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 毅 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20302242)
加藤 真良 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (70402104)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | がん転移 / 癌転移 / 抗転移細胞 / 細胞外RNA / 転移前ソイル / RNA結合タンパク質 / がん転移抑制 |
Outline of Research at the Start |
がんの転移はがん側の要因と転移を受ける宿主側の要因が複雑に影響して成立する。がん原発巣が転移予定地、すなわち転移前ソイルを宿主側の臓器に作ること、そこに転移を抑制しうる少数の抗転移免疫細胞が存在することを申請者らは明らかにしてきた。この抗転移細胞が、その細胞表面に局在するRNA結合タンパク質ZC3H12Dを介し、転移前ソイルから放出される細胞外セルフリーmRNAにより直接活性化されることも見出した。本研究では抗転移細胞の解析を、RNAに焦点を絞って解析を行うことでさらに発展させ、ZC3H12Dの様なRNA結合タンパク質を活性化させる核酸種や抗転移細胞活性化機序を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
がんの転移はがん側の要因と転移を受ける宿主側の要因が複雑に影響して成立する。がん原発巣が転移予定地、すなわち転移前ソイルを宿主側の臓器に作ること、そこに転移を抑制しうる少数の抗転移免疫細胞が存在することを申請者らは明らかにしてきた。この抗転移細胞は、細胞表面に局在するRNA結合タンパク質ZC3H12Dを介し、転移前ソイルから放出される細胞外mRNAにより直接活性化される。本研究では抗転移細胞の解析を、RNAに焦点を絞って解析を行うことでさらに発展させる。 本年度は、受容体とリガンドの両方の解析をスタートさせた。 抗転移細胞のZC3H12D受容体は、原発のがんの影響により、発現の安定性が減弱することが判明し、安定的に発現するための微小環境因子の探索と、その候補因子の調節により安定化を維持できるかどうかの研究を行った。抗転移細胞は、担癌マウスの肝臓で教育され、転移前の肺において活性化するため、担癌マウスの肝臓から抗転移細胞を採取し、受容体の発現調節に関係する転写因子を同定した。詳細は、原発がんの進行とともに上昇する転写因子群を、ノックダウンして機能スクリーニングし、1つの転写因子の影響で、ZC3H12D受容体の発現が格段に上昇して、抗転移活性を維持することが可能な知見を得た。この知見に関しては論文に報告した。 一方のリガンドの候補RNAの検索を行った。最終的にはヒトの抗転移細胞の活性化に繋げることを想定し、肺の血管内皮細胞の上清を用いて、ZC3H12Dタンパク質に結合するRNAを解析することを試みた。現在複数の候補核酸が得られ、機能解析を始めたところである。特に転移抑制に関与する表現型の1つである遊走活性を用いて、ポジティブな結果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初は、RNA結合タンパク質であるZC3H12D受容体を、細胞膜に安定的に発現させるための誘導タンパク質の解析を行う予定であった。抗転移細胞は、他の免疫細胞と同じく、原発がんの進行に伴い、ZC3H12D遺伝子発現そのものが低下することが判明した。安定的な遺伝子発現を得るために、組織特異的な転写因子の解析を行い、ZC3H12D遺伝子の安定的な遺伝子発現に寄与する因子が発見できた。
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Strategy for Future Research Activity |
抗転移細胞の活性化を司る、受容体とリガンドの同定を行う。 まず受容体に関しては、抗転移細胞で細胞表面に誘導されるRNA結合タンパク質の解析を行う。R5年度はR4年度に続き、この肺組織中の発現誘導因子の探索を行い、またZC3H12Dと恊働するタンパク質の探索、解析も行う。 リガンドに関しては、ZC3H12Dに結合する細胞外RNAの同定を試みる。申請者らは先行研究において、細胞外に放出されたIL1b-mRNAが抗転移細胞上のZC3H12Dに結合すること、がん細胞培養上清(TCM: tumor conditioned media)由来のRNAや、TCMで刺激した肺組織由来のRNAで抗転移細胞活性が誘導されることを示した。また、これまでの知見からZC3H12Dとの結合に必要なmRNAの領域が立体構造をとっている可能性があり、それも考慮してZC3H12Dに結合するRNAの形状と種類の同定を試みる。まずセルフリーRNAを分離する必要があるため、迅速なRNA収集を試み、NGS解析により結合RNA候補を同定する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)