Project/Area Number |
23K24186
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Project/Area Number (Other) |
22H02925 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲瀬 裕志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60362498)
新沼 猛 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60708113)
北嶋 洋志 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90777971)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,640,000 (Direct Cost: ¥12,800,000、Indirect Cost: ¥3,840,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | ヒストン修飾 / エピゲノム / DOT1L / インターフェロン応答 / がん免疫 |
Outline of Research at the Start |
本研究はDOT1L阻害によるがん細胞のインターフェロン(IFN)応答や抗腫瘍効果の分子機序を解明し、がん免疫療法に応用することを目的とする。その達成のために、①がん細胞においてDOT1Lと相互作用する分子、ならびにIFN応答を誘導する分子・パスウェイを同定することでviral mimicryの分子基盤を解明する、②DOT1L阻害が腫瘍免疫原性に与える影響を解析し、DOT1L阻害とがん免疫療法の併用効果を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
DOT1L阻害剤による抗腫瘍メカニズムを明らかにするため、網羅的トランスクリプトームおよびエピゲノム解析を行った。EZP-5676あるいはSGC0946で乳がん細胞・骨髄腫細胞を処理し、RNA-seq解析およびChIP-seq解析を行った。その結果、インターフェロン応答や自然免疫応答のシグナルが強く誘導されること、細胞周期関連遺伝子が強く抑制されることを明らかにした。各種のインターフェロン応答遺伝子(ISG)の発現上昇を定量RT-PCRで検証した。またヒストンH3K4トリメチル化(H3K4me3)およびヒストンH3K27アセチル化(H3K27ac)のChIP-seqデータを解析した結果、DOT1L阻害剤処理後の細胞におけるでは、H3K4me3およびH3K27acのピーク近傍にはインターフェロン応答配列が高頻度に存在することがmotif解析から示された。またDOT1L阻害によりStat1のリン酸化が誘導されることがウエスタンブロットから明らかになった。さらにDOT1L阻害が、細胞表面のMHC class Iおよびclass II分子の発現を誘導することを見出した。 DOT1LはDNA損傷の際の修復に重要な役割を果たすことが知られている。そこで細胞質分画から抽出したタンパク質を対照にヒストンH3およびγH2AXのウエスタンブロットを行った結果、DOT1L阻害によりこれらが上昇することが示された。このことからDOT1L阻害は細胞質DNA量およびDNA損傷を上昇させることが示された。これらの結果から、DOT1L阻害により細胞内核酸センサー経路が活性化され、がん細胞のインターフェロン応答を誘導すると考えられた。この仮説を証明するため、cGAS、STING、RIGI、MAVSなどの核酸センサー経路分子のノックダウン実験を行った。その結果、STINGノックダウンおよびRIGIノックダウンにより、DOT1L阻害によるインターフェロン応答の活性化が減弱することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DOT1L阻害処理によるトランスクリプトーム・エピゲノムデータの収集を行う事ができた。これらのデータ解析から、DOT1L阻害がインターフェロンシグナル、細胞周期、細胞増殖、エストロゲンシグナル、Vitamin Dシグナルなど、様々な細胞内シグナル経路に影響を及ぼすことを明らかにすることができた。またDOT1L阻害により誘導されるエピゲノム変化は、インターフェロン応答配列に多いことが明らかにされた。さらにDOT1L阻害によるインターフェロン応答に、細胞内核酸センサー経路が関与することを示す基礎的なデータを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに複数の細胞株を用いて、DOT1L阻害がトランスクリプトーム・エピゲノムに与える変化のデータを蓄積する。それらのデータ解析を通して、DOT1L阻害の抗腫瘍メカニズムの解析を継続する。ゲノム編集技術を用いて、核酸センサー分子のノックアウト細胞を作成する。作成したノックアウト細胞に対し、DOT1L阻害処理を行い、抗腫瘍効果、トランスクリプトーム解析、エピゲノム解析を行う。
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