Project/Area Number |
23K24266
|
Project/Area Number (Other) |
22H03005 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
戸田 裕之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 准教授 (00610677)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新本 弘 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 放射線医学, 准教授 (00206335)
太田 宏之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 准教授 (20535190)
田辺 肇 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (60302361)
竹内 崇 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70345289)
長峯 正典 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 行動科学研究部門, 教授 (70725217)
古賀 農人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 助教 (70744936)
清住 哲郎 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 救急部, 教授 (80818617)
田中 良弘 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 救急部, 教授 (50533981)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
|
Keywords | PTSD / ストレス応答回路 / 虐待 / 交通外傷 / CRISPR/dCas9 / エピジェネティクス / DNAメチル化修飾制御 / 心的外傷後ストレス障害 |
Outline of Research at the Start |
発達段階の逆境的環境曝露(ELS)を背景としたPTSDの病態生理を、ストレス応答回路の一つであるHPA系の機能異常の観点から明らかにする。PTSDではHPA系遺伝子のエピジェネティックな変化による制御が指摘されていることから、(1)PTSD発生確率の高い交通外傷患者を対象に、ELSとHPA系関連遺伝子リスクアレル・メチル化評価、脳画像による脳機能評価とPTSD症状に関する前向き観察研究を行う。(2)CRISPR-dCas9技術によるHPA関連遺伝子の選択的なメチ ル化・脱メチル化操作により、ELSによって誘導されるエピジェネティクスな変化がPTSDの病態に直接関与しているかを検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、発達段階の逆境的環境曝露(ELS)を背景とした心的外傷後ストレス障害(PTSD)の病態生理を、ストレス応答回路の一つである視床下部・下垂体・副腎(HPA)系の機能異常の観点から明らかにすることである。PTSDではHPA系遺伝子のエピジェネティックスな変化による 制御が指摘されていることから、本研究では(1)PTSD発生確率の高い交通外傷患者を対象に、ELSとHPA系関連遺伝子リスクアレル・メチル化 評価、脳画像による脳機能評価とPTSD症状に関する前向き観察研究を行う。さらに(2)CRISPR-dCas9技術によるHPA関連遺伝子の選択的なメチル化・脱メチル化操作により、ELSによって誘導されるエピジェネティックスな変化がPTSDの病態に直接関与しているか、を検証する。これによりELSを背景としたPTSD発症要因が解明され、PTSDのPrecision Medicineが提案される。 交通外傷患者を対象とした研究では、交通外傷で救命救急センターに入院をした患者を対象に1年間のフォローアップを実施する。PTSDの12カ月有病率は1%以下であるため、一般集団を対象としたコホート研究には多数のサンプルかつ長期間のフォローが必要である。一方、交通外傷などにより救命救急センターに入院した患者のPTSDを含む精神症状の発症率は20~30%と比較的高率であるため、PTSDなどの疫学研究の母集団として注目されている。マウスを用いた基礎的研究で用いるCRISPR/dCas9システムによるメチル化操作は、CRISPR/Cas9の標的遺伝子を特異的に認識するシステムを応用することで、目的の遺伝子を特異的に修飾する最新の技術である。HPA系遺伝子特異的なメチル化状態がPTSDの病態に関与しているかを直接的に検証できるため、独創性かつ創造性に富んだ研究となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交通外傷後の前向き観察研究のpolygenic risk score(PRS)、DNAメチル化、脳画像に関する研究:目標サンプル数の200例に達するまで、研究対象者の組入を続け、その後解析を実施する。研究対象者は着実に増加しているが、進捗率はやや遅れている。本研究は、救急救命センターに入院した患者を対象にしており、身体的急性期の患者の同意を得る必要がある。また、PTSD症状の構造化面接であるCAPSは約60分の所要時間を要する。さらには、DNAのための血液を採取する、頭部のMRIを撮像するなど、研究チームにも多大な労力を要する研究である。研究参加者を増やすために、研究体制の強化も実施している。具体的には、6CAPSを実施する心理士・精神科医を6名→8名に増員し、研究の事務員を1名→3名に増員した。なお、PTSD関する研究、ELSに関する研究など本課題に関連する研究を実施して、英語論文として掲載されている。 マウスによる特異的遺伝子領域のDNAメチル化制御によるPTSDの病態解明研究: DNMTやTET1、TET2の酵素反応強度を制御することが可能か調査する。また、これまでの検討では、AAV感染からメチル化率の分析まで1週間を設定しており、経過時間とメチル化率の相関関係の検討が必要である。培養細胞を用いたDNAメチル化修飾制御(メチル化、脱メチル化)系は概ね確立することができたので、今後は、生体レベルでのメチル化制御の検討ならびにストレス負荷、行動分析を進める。拘束ストレス負荷(心的外傷体験に相応)、オープンフィールド試験(自発運動、探索行動)、強制水泳試験(抑うつ行動)、高架式十字迷路・ガラス玉覆い試験(不安行動)、社会的相互作用試験(興味・関心、社交性)、恐怖条件づけモデル(恐怖記憶)などである。
|
Strategy for Future Research Activity |
交通外傷後の前向き観察研究のpolygenic risk score(PRS)、DNAメチル化、脳画像に関する研究:目標サンプル数の200例に達するまで、研究対象者の組入を続け、その後解析を実施する。研究対象者は着実に増加しているが、進捗率はやや遅れている。本研究は、救急救命センターに入院した患者を対象にしており、身体的急性期の患者の同意を得る必要がある。また、PTSD症状の構造化面接であるCAPSは約60分の所要時間を要する。さらには、DNAのための血液を採取する、頭部のMRIを撮像するなど、研究チームにも多大な労力を要する研究である。研究参加者を増やすために、研究体制の強化も実施している。具体的には、6CAPSを実施する心理士・精神科医を6名→8名に増員し、研究の事務員を1名→3名に増員した。また、MRI撮像のために放射線技師とは緊密な連携体制を敷いており、実際の患者の診療を行っている救急部、精神科学講座の医師の研究参加者も増員している。 マウスによる特異的遺伝子領域のDNAメチル化制御によるPTSDの病態解明研究: DNMTやTET1、TET2の酵素反応強度を制御することが可能か調査する。また、これまでの検討では、AAV感染からメチル化率の分析まで1週間を設定しており、経過時間とメチル化率の相関関係の検討が必要である。培養細胞を用いたDNAメチル化修飾制御(メチル化、脱メチル化)系は概ね確立することができたので、今後は、生体レベルでのメチル化制御の検討ならびにストレス負荷、行動分析を進める。拘束ストレス負荷(心的外傷体験に相応)、オープンフィールド試験(自発運動、探索行動)、強制水泳試験(抑うつ行動)、高架式十字迷路・ガラス玉覆い試験(不安行動)、社会的相互作用試験(興味・関心、社交性)、恐怖条件づけモデル(恐怖記憶)などである。
|