Project/Area Number |
23K24273
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Project/Area Number (Other) |
22H03012 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
権田 幸祐 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80375435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 寛 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50436127)
北村 成史 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50624912)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 放射線治療 / アブスコパル効果 / がん / 免疫 / イメージング / 免役 |
Outline of Research at the Start |
研究が停滞していた放射線治療のアブスコパル効果は、がん免疫研究の進展で再注目されてきた。その結果、放射線照射は、がん抗原の露出量を増やし、免役応答を介してアブスコパル効果の発現が促進されることが分かってきた。先行研究では、アブスコパル効果を分子から組織全体に渡り統合的に計測し解析する技術に欠けていた。本研究では、X線CTと蛍光イメージングを行い、アブスコパル効果発現の鍵となる「腫瘍微小環境」や「がん免疫応答」の経時変化に注目しつつ、両イメージングのデータを統合的に解析し、アブスコパル効果発現の詳細な理解を深めるとともに、その応用としてこの効果の発現を促進・最適化させる治療法開発を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療のアブスコパル効果は、研究が停滞していたが、がん免疫研究の進展で再注目されてきた。その結果、放射線照射によるがん細胞傷害が、がん抗原の露出量を増やし、これにより免疫応答を介してアブスコパル効果の発現が促進されることが分かってきた。以上の研究では、腫瘍径の値や腫瘍の一部の組織切片データを用いて解析が行われた。そのためアブスコパル効果を発現する腫瘍を、分子から組織全体に渡り統合的に計測し解析する技術に欠けており、腫瘍内で不均一に起こるアブスコパル効果の実態を正しく評価することが難しかった。本研究では、蛍光計測とX線CT計測を行い、アブスコパル効果発現の鍵となる「腫瘍微小環境」や「がん免疫応答」の経時変化に注目しつつ、両計測データを統合的に解析し、その応用としてこの効果の発現を促進・最適化させる治療法開発を試みる。 以上の研究目的を実現するため、2022年度は、血管新生阻害剤を用いたアブスコパル効果の発現を誘導する放射線治療モデルの構築を試みた。この実験では、マウスの足背に1次腫瘍として癌細胞を移植し、2日後に同マウスの腰に同じ癌細胞を移植 (2次腫瘍)した。また治療条件は、コントロール群、放射線照射群 (1次腫瘍のみ)、血管新生阻害剤投与群、併用療法群の4群で行った。その結果、腫瘍径の大きさに関して治療効果データに有意差を示す実験系の確立に成功した。 2023年度は、病理解析によって治療効果の詳細な解析を行なった。その結果、2次腫瘍において、腫瘍血管のペリサイト被覆率は、血管新生阻害剤投与群と併用療法群において促進され、また腫瘍血管面積密度あたりのCD8陽性T細胞の浸潤数が、血管新生阻害剤投与群と併用療法群で優位に増えていることが分かった。この結果は、血管新生阻害剤投与によって腫瘍血管の正常化が進み、その結果、CD8陽性T細胞の浸潤数が増加したことを示唆していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究実施前の計画として、以下のことを交付申請の際記載し目標としていた。 本研究では、研究目的を実現するため、2022年度は、血管新生阻害剤を用いたアブスコパル効果の発現を誘導する放射線治療モデルの構築を試みた。この実験では、マウスの足背に1次腫瘍として癌細胞を移植し、2日後に同マウスの腰に同じ癌細胞を移植 (2次腫瘍)した。その結果、腫瘍径の大きさに関して治療効果データに有意差を示す実験系の確立に成功した。 2023年度は、治療効果のさらなる詳細な解析を行なことを目的とした。具体的には、各治療群間における「血液中のCD8陽性T細胞のがん細胞傷害効果」、「2次腫瘍の腫瘍血管面積密度の比較」、「2次腫瘍の腫瘍血管のペリサイト被覆率の比較」、「2次腫瘍の腫瘍血管面積密度あたりのCD8陽性T細胞の浸潤数」などの検討を行う。さらに腫瘍血管のX線CTイメージングとその解析にも着手予定であった。 以上の計画によって、各治療群のデータにおいて期待された有意差が得られれば、「放射線治療によってがん抗原の露出量が増え、CD8陽性T細胞によるがん細胞傷害効果が亢進したこと」や「血管新生阻害剤よって腫瘍血管の正常化が誘導され、CD8陽性T細胞の腫瘍組織内浸潤数が増えたこと」が示唆され、アブスコパル効果発現のメカニズムの理解が深まると期待された。 本年度の実験の結果、2次腫瘍において、腫瘍血管のペリサイト被覆率は、血管新生阻害剤投与群と併用療法群において促進され、また腫瘍血管面積密度あたりのCD8陽性T細胞の浸潤数が、血管新生阻害剤投与群と併用療法群で優位に増えていることが分かった。この結果は、血管新生阻害剤投与によって腫瘍血管の正常化が進み、その結果、CD8陽性T細胞の浸潤数が増加したことを示唆していた。以上の結果から、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、腫瘍血管の正常化の状態をマイクロX線CTによるイメージング用いて、組織全体として評価するとともに、放射光位相コントラストCTイメージングによって腫瘍全体の壊死領域の評価法を試みる。また免疫チェックポイント阻害薬を追加した時のアブスコパル効果の亢進の有無についても評価を行う。 以上の解析によって、各治療群の組織全体として評価が進み、アブスコパル効果の増強が認められれば、アブスコパル効果発現のメカニズムの理解が進み、臨床応用への可能性がさらに大きくなると期待される。
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