Project/Area Number |
23K24274
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Project/Area Number (Other) |
22H03013 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加田 渉 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60589117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米内 俊祐 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, グループリーダー (00415431)
松本 真之介 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (10742744)
酒井 真理 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (70727338)
松村 彰彦 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (90600453)
青木 勝海 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 博士研究員 (90964859)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 臨床線量計 / ダイヤモンド / MIRT / LET / ワイドバンドギャップ半導体 / 臨床線量分布 / RBE |
Outline of Research at the Start |
多様な粒子線による線エネルギー付与(LET)値と治療効果の達成を目指すMIRT技術において、局所制御性向上を担保するエネルギー分解型臨床線量計を実現させる。既存半導体であるSiと比較して優れた特性を持つダイヤモンドを基材とすることで、炭素を含む複数のイオン種のLETスペクトルを、あたかも整体で計測するように評価可能とする。ダイヤモンド半導体への微細加工により、マイクロメートルオーダーで変化するLET分布の精密測定を実現する。さらに生物学的モデルに立脚したパラメータにより、臨床に即した線量分布の推定を可能とする。先進治療技術であるMIRTに対応する世界で唯一の線量計測体系の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、重粒子線がん治療装置のさらなる高度化に必要となる線量計の実現、特に、多様な粒子線による腫瘍構造に最適化された線エネルギー付与(LET)値の付与が可能なMulti-ion radiotherapy (MIRT)に対応可能なエネルギー分解型臨床線量計の実現を目的としている。研究目的に対して、計画2年目においては、初年度に開発した厚み 50 μm 以下の薄膜単結晶CVDダイヤモンド基板を用いたエネルギー分解型線量計の臨床線量評価を実施した。群馬大学重粒子線医学研究センター(GHMC)ならびに量研機構HIMAC施設の臨床治療場において290MeV/n程度の単一エネルギーや拡張ブラッグピーク(SOBP)といった複数の照射条件による炭素線や, これに加えてHIMAC施設におけるヘリウム(He)等の多種のイオンを用いて、線量計素子の挙動を確認した。線量計素子に計測回路であるμ-plus probe (前置電荷・線形増幅器)を接続し、検出器に前置した厚み可変水槽やPMMAファントムを利用して人体内を模擬した深度線量分布に即したLET分布が取得できた。測定されたデータについて、逐次これまでに実績のあるSiやSiC素子の出力結果を比較しつつ、その妥当性を評価した。量研機構HIMAC施設ではMIRTを想定した多様なイオン照射時の出力が確認できた。炭素線場では、阻止能比を考慮して得られる生体(水)等価LETスペクトルから平均LET値を導く。これを基本的な放射線生物学的モデル(LQ,MKモデル)を利用して、細胞生存率Sから生物学的効果比(RBE)の分布推定に利用可能なことを確認した。RBEと物理線量分布を用いた演算により、研究目的とした臨床線量推定が可能であることの基本原理を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画初年度において、量研機構の研究分担者側にて課題であったアルファ線チェンバの整備・開発について本年度までにその整備と初期試験を完了させることができた。さらに計画中にあった量研機構HIMAC施設における炭素線以外の多様なイオン種を用いる照射を行うことで、MIRT 場を模擬した評価が実現できた。他方で、初年度から継続している群馬大学重粒子線医学センターにおける炭素線場では、炭素線の拡大ブラッグピーク(SOBP)を対象とした生物学的効果比(RBE)分布や臨床線量分布の推定までを行うことできた。これらの実験的な成果により、本研究計画の主眼とするデータの基本的な内容について、一定のデータを測定・評価することができている。さらに、現時点の成果について、国内・国際会議において発表、さらには現在投稿中の論文にまとめるなど成果を整理する段階に到達することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画中において主眼としているMIRTでの測定評価をさらに確実なものとするために、量研機構HIMAC施設ならびに群馬大学重粒子線医学センターにおける照射を継続しつつ、計測データの精度向上や対応範囲の拡充を図る。また本研究計画の主眼とするデータの基本的な内容で得られている成果について、現在投稿中の論文を中心に外部発表内容の整理を進め、研究成果を広く発表しつつ、研究内容を実際の臨床場で活用するために必要な情報を整理する。
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