心臓特異的スーパーエンハンサーの相分離型転写ファクトリーによる転写機構の解明
Project/Area Number |
23K24327
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Project/Area Number (Other) |
22H03066 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
塚本 蔵 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80589151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 研 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (90826190)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | スーパーエンハンサー / ナトリウム利尿ペプチド / 相分離型転写ファクトリー / 心臓特異的スーパーエンハンサー / 相分離型転写ファクトリーモデル / ナトリウム利尿ペプチド遺伝子 / 心臓 / 転写機構 |
Outline of Research at the Start |
心不全病態の力学的負荷に反応してナトリウム利尿ペプチドの転写が劇的に活性化する現象は、心臓病学における極めて重要かつ心臓特異的転写反応であるが、その分子機序の理解は進んでいない。近年、細胞種特異的な遺伝子の転写を制御するDNA調節領域としてスーパーエンハンサーが注目されている。そこでは転写調節因子群が局所的に高密度で凝集・相分離することで、転写が効率的に活性化される(相分離型転写ファクトリーモデル)。本研究では、我々が同定した心不全感受性スーパーエンハンサーCR9に対して相分離型転写ファクトリーの概念を導入し、心臓特異的な転写反応の分子機序解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は我々が同定した心不全感受性スーパーエンハンサーCR9に対して相分離型転写ファクトリーの概念を導入し、心臓特異的な転写反応の分子機序を解明することを目的とする。 まず、作成したCR9ノックアウト(CR9-KO)マウスの心室組織におけるナトリウム利尿ペプチド遺伝子(NppaとNppb)の発現レベルが高度に抑制されている事を確認した。また大動脈弓部縮窄手術による心不全負荷においても、CR9-KOマウスにおけるNppaとNppb遺伝子の発現誘導は野生型と比較して有意に抑制されることを確認した。また、ATAC-sequence解析とChIP-sequence解析の結果、CR9領域がNppa及びNppb遺伝子領域のクロマチン構造とクロマチン修飾を制御していることが解明された。このことは、CR9領域に対してCRISPR/dCa9システムを利用したCRISPR-activationおよびCRISPR-inhibitionシステムを利用した培養心筋細胞実験でも確認できた。以上よりCR9領域がエンハンサーとしてNppa、Nppb遺伝子の発現を制御する可能性がin vivoで証明された。 次に、野生型とCR9-KOマウスの心室組織を用いて4C解析を実施した。野生型で認められるCR9領域とNppb, Nppaのプロモーター領域の相互作用が、CR9-KOでは減少していたことから、CR9がエンハンサーとして働き、NppbおよびNppa遺伝子のプロモーター領域と相互作用していることがin vivoで証明できた。 最後に、NppaとNppbの転写バーストをライブで可視化できるシステムの構築に着手し、現在、CR9、Nppa、Nppb領域を含むBACを入手し、これにMS2、PP7、MCP-GFP、dt-Tomato-PCPなどの遺伝子の導入を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転写のイメージングシステムの構築はやや遅れているが、その反面、in vivoの実験が予想以上に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
転写イメージングシステムをiPS細胞で構築することとし、CR9、Nppa、Nppb領域を含むBACを入手し、これにMS2、PP7、MCP-GFP、dt-Tomato-PCPなどの転写イメージングに必要な遺伝子配列を組み込んでいる。iPS細胞が完成すれば心筋細胞に分化させて、NppaとNppbの転写バーストをライブで可視化する予定である。また、定量single-molecule RNA FISH法を利用して、NppaとNppb遺伝子から転写されたばかりのRNAの可視化を試み、成功している。今後はCR9領域とNppaとNppbのRNAとの位置関係や、スーパーエンハンサーを構成するmediator群との位置関係について検討する予定である。 また、CR9領域に結合してエンハンサー活性を制御する転写因子やmediator群を4種類同定しており、これらの転写因子群が実際に培養心筋細胞でNppaおよびNppb遺伝子の発現を制御すること、さらにCR9を中心とした転写ファクトリー内に存在することを示す。 最後にin vivoと培養細胞の実験をまとめて論文化する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Restoration of Cardiac Myosin Light Chain Kinase Ameliorates Systolic Dysfunction by Reducing Superrelaxed Myosin2023
Author(s)
Hitsumoto T, Tsukamoto O, Matsuoka K, Li J, Liu L, Kuramoto Y, Higo S, Ogawa S, Fujino N, Yoshida S, Kioka H, Kato H, Hakui H, Saito Y, Okamoto C, Inoue H, Hyejin J, Ueda K, Segawa T, Nishimura S, Asano Y, Asanuma H, Tani A, Imamura R, Komagawa S, Kanai T, Takamura M, Sakata Y, Kitakaze M, Haruta JI, Takashima S.
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Journal Title
Circulation
Volume: -
Issue: 25
Pages: 1902-1918
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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