Project/Area Number |
23K24329
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Project/Area Number (Other) |
22H03068 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
東 幸仁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40346490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸橋 達也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (10727069)
岸本 真治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30820667)
中島 歩 広島大学, 医系科学研究科(医), 共同研究講座教授 (40448262)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 新規レジスチン様分子 / 血管内皮機能 / 内皮型一酸化窒素合成酵素 / ヒト血管内皮機能 / 新規血管内皮機能改善薬 |
Outline of Research at the Start |
新規レジスチン様分子(RELMβ)が、動脈硬化を惹起するメカニズムとして、動脈硬化の発症・維持・進展に重要な役割をはたしている血管内 皮機能との関連は明らかでない。本研究では、RELMβが血管内皮細胞、特に内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)/NO pathway、ヒト血管内皮機能 に及ぼす影響に関して検討する。合わせて、血中RELMβ濃度測定が血管内皮機能のバイオマーカー、心血管イベントの予測因子となり得る可能 性、さらに、本研究によりRELMβの役割を解明することで、動脈硬化発症の一端が明らかとなり、新規血管内皮機能改善薬(抗動脈硬化薬)の 創薬につながる可能性を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化の発生・維持・進展の機序としてのRELMβ/eNOS/NO pathwayの解明のために、in vitro細胞実験として、以下の実験を実施した。ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)およびマウス血管内皮由来細胞(EOMAC)を用いて、RELMβ投与による細胞内NO産生量はNO感受性蛍光色素DAF-2を用いて、細胞外NO濃度をGreiss法により測定。RELMβ投与によるHUVECおよびEOMACでのeNOSの発現およびリン酸化、eNOS制御に関連するAkt、AMPK、ERK1/2、p38、JNK、PKC、HSP90の発現ならびにリン酸化をWestern blot法を用いて検討。RELMβ投与によるHUVECおよびEOMACよりmRNAを抽出して、DNAアレイおよび RNA seq によるeNOS関連遺伝子をはじめとした網羅的遺伝子解析をバイオインフォマティクスを用いた遺伝子ネットワーク解析を用いて行った。同様の検討を、RELMβ欠損マウス(作製済)とRELMβ過剰発現マウス(作製済)より得られた血管内皮細胞において行なった。RELMβ投与によるHUVECならびにEOMACの細胞遊走能、増殖能や血管形成能を検討。 また、in vivoマウス実験として、以下の実験を実施した。 RELMβ欠損マウスに脂肪食を負荷する群とコントロール群において、血圧、心拍数、心機能、尿中NO代謝産物排泄量等の測定。RELMβ過剰発現マウスとコントロール群において、血圧、心拍数、心機能、尿中NO代謝産物排泄量等の測定した。 ヒト血中RELMβ濃度測定用ELISAシステム作製した。 RELMβヒトモノクロナル抗体作製から血ヒト血中RELMβ濃度測定用ELISAキットの作製までを独自に行い、血中RELMβ濃度測定系を新規に確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マクロファージにおいて飽和脂肪酸負荷や炎症刺激がRELMβの発現を増加させることや、RELMβが脂肪細胞の泡沫細胞化、血管での炎症惹起や血管増殖等によって動脈硬化を発症・進展させることを明らかにしてきた。 RELMβが動脈硬化を惹起するメカニズムとして、動脈硬化の発症・維持・進展に重要な役割をはたしている血管内皮機能との関連は明らかでない。本研究では、RELMβが血管内皮細胞、特に内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)/NO pathway、ヒト血管内皮機能に及ぼす影響に関して検討すること、合わせて、血中RELMβ濃度測定が血管内皮機能のバイオマーカー、心血管イベントの予測因子となり得る可能性、さらに、本研究によりRELMβの役割を解明することで、動脈硬化発症の一端が明らかとなり、新規血管内皮機能改善薬(抗動脈硬化薬)の創薬につながる可能性を検討することを目的としている。 令和4年度には、計画していた、動脈硬化の発生・維持・進展の機序としてのRELMβ/eNOS/NO pathwayの解明のために、in vitro細胞実験を、計画通り実施することができた。また、in vivo実験として、RELMβ欠損マウスでの循環動態やNO代謝産物の測定を実施できた。 RELMβヒトモノクロナル抗体作製から血ヒト血中RELMβ濃度測定用ELISAキットの作製を実施して、血中RELMβ濃度測定系を確立した。 令和4年度は、研究計画のスケジュールに従って、研究を進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
RELMβ血中濃度測定と血管内皮機能および心血管イベント発症との関連を検討する。 現在、研究代表者らは、flow-mediated vasodilation (FMD)を指標に血管内皮機能を測定した10,000例余りのデータベースを有している。同時に血液ストックを有している。 対象者は、血液がストックされている心血管病リスクを有さない健常人約2,000例、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)を有するが明らかな心血管合併症を有さない軽症動脈硬化症群約5,500例、冠動脈疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化を有する重症動脈硬化症群約2,500例とする。研究プロトコルの倫理委員会承認後、ストック血清より開発する血清ELISAシステムを用いてRELMβ濃度を測定する。また、毎年1,000例余りの対象者を追加登録可能であり、登録後、血清RELMβ濃度を測定する。 既に測定されデータベース化されている10,000例に加え、研究期間中に登録になった対象も同様に測定して解析に用いる。血清RELMβ濃度とFMDの関連を検討する。FMDに加え、これら検査指標と血清RELMβ濃度の関連も多面的に検討する。
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