Project/Area Number |
23K24335
|
Project/Area Number (Other) |
22H03074 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
松浦 勝久 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70433993)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏信 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00710039)
小林 純 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20385404)
梅津 信二郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70373032)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
|
Keywords | 心筋細胞 / 配向制御 / 心筋細胞配向制御 |
Outline of Research at the Start |
心臓は配向度の異なる組織がレイヤー構造を呈し、効率的な拍出を創り出すことを可能にしているが、配向の意義、制御・維持の機序は明らかでない。本研究では、配向制御したヒトiPS細胞由来心筋組織の収縮特性が心筋細胞の同期的収縮によって向上する知見、心筋細胞や線維芽細胞、骨格筋芽細胞の配向特性が全く異なる知見を踏まえ、in vitroおよびin vivoにおける配向と収縮同期性の検証および配向に伴う収縮同期性制御因子の同定、心筋細胞の配向制御・維持の分子機序解明、さらに組織工学的管状心筋組織を用いて組織各レイヤーの配向度の最適化による拍出の最大化を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に、配向した線維芽細胞上に心筋細胞を播種および心筋シートを積層化することで、心筋細胞の配向制御が可能になったことを踏まえ、この心筋組織を積層化した際に各層の心筋細胞の配向が維持されるか検討したところ、積層化1週間までの評価において、各層の配向が維持されることが観察された。また積層化後1時間時点ですでに、積層化した上層と下層の心筋組織間に電気的交通があることも観察された。また積層化した心筋組織の張力の評価を開始した。 我々が作製する薄膜エレクトロニクスは、一般的な薄膜エレクトロニクスとは大きく異なり、細胞組織への侵襲性が大幅に低いことが分かっている。この特性を把握するにあたり、薄膜エレクトロニクスのデザインを変更し、機械的な特性と生体情報取得の特性を把握する研究を実施した。 昨年度に実施した線維芽細胞および筋芽細胞のRNAseq解析および以前に実施した心筋細胞のRNAseq解析結果を踏まえ、心筋細胞の配向制御に関わる遺伝子の抽出を行った。さらにsiRNAを用いて線維芽細胞における候補遺伝子の発現抑制を行い、心筋細胞の配向への影響の検討を開始した。心筋細胞の電気的結合に関与するコネキシン43の発現をアデノ随伴ウイルスを用いて促進ないし抑制させることによる心筋組織機能への影響を検討した。コネキシン43の発現促進に伴う心筋組織の収縮・弛緩機能への影響は観察されなかった。一方で、コネキシン43の発現を抑制した心筋組織での検討では、心筋組織内心筋細胞の収縮同期性に影響はなかったが、収縮機能の有意な向上が観察された。 環状心筋組織の構築に関しては、種々のバイオマテリアルを用いて環状構造を維持した心筋組織開発を進めている。 心筋組織の構造の乱れと心不全との関連性を検証する研究の一環として、心不全患者においては左室収縮末期径が遷延する収縮機能低下の予測因子となることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目1)に関しては、心筋細胞間の主要なギャップジャンクションタンパクであるコネキシン43の発現調節により心筋組織の収縮機能への影響が明らかとなったことを踏まえ、現在その分子機序を解析中である。 研究項目2)に関しては、細胞組織への侵襲性が大幅に低い薄膜エレクトロニクスを開発し、その特性評価を進めている。 研究項目3)に関しては、心筋細胞の配向制御に関わる候補分子の抽出を完了し、発現制御による心筋細胞の配向への影響評価を開始している。 研究項目4)に関しては、種々のマテリアルを用いて配向した心筋組織を用いて環状組織を開発中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究項目1)に関しては、コネキシン43発現抑制による心筋組織収縮機能向上の機序の解明が必要である。コネキシン43は、がん細胞の増殖に関わることが報告されており、コネキシン43の発現抑制による心筋細胞の増殖能向上の可能性の検証が必要である。 研究項目2)に関しては、引き続き開発した薄膜エレクトロニクスの特性評価結果を踏まえ、長期間の心筋組織の機能特性に適した改良を行う。 研究項目3)に関しては、引き続き心筋細胞配向制御候補分子の評価を行い、線維芽細胞を介した心筋細胞の配向制御の分子機序を明らかにする予定である。 研究項目4)に関しては、引き続き配向した心筋組織を積層化した環状組織の開発を進める。
|