Project/Area Number |
23K24343
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Project/Area Number (Other) |
22H03082 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
荒屋 潤 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90468679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10737133)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | Extracellular vesicle / lipofibroblast / 慢性閉塞性肺疾患 / 特発性肺線維症 / 細胞外分泌小胞顆粒 / metabolic reprograming / 細胞外分泌小顆粒 |
Outline of Research at the Start |
EVは、内包物により細胞間コミュニケーションツールとして働き、分泌細胞の表現型に依存し、病態促進的にも抑制的にも作用しうる。Mesenchymal stem cells (MSC)や、正常気道上皮細胞由来EVは抗線維化作用を示すことが明らかとなっている。Lipofibroblastはニッチ細胞として働き、液性因子によりAT2の分化と恒常性を制御する線維芽細胞であり、近年代謝調整剤による誘導と肺線維化抑制効果が報告されている。今回、代謝調整剤で培養肺線維芽細胞から分化誘導したlipofibroblast由来EVによる、新規呼吸器疾患治療法開発を目的とした検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、lipofibroblast由来のEVを用いて、その細胞増殖作用の機序を詳細に検討し、また慢性閉塞性肺疾患モデルでの有効性を明らかにするための検討を行った。 ①細胞増殖作用の機序の検討は、EVのLC-MSによる網羅的な解析により、高発現蛋白を抽出し、結果アミノ酸の取り込みに作用する蛋白が、作用機序であることを見出した。lipofibroblast由来EVの刺激により、この蛋白の肺上皮細胞への移行と発現の亢進を確認した。またlipofibroblast由来EVの刺激によるアミノ酸取り込みの増加の確認と、この蛋白の阻害剤によるアミノ酸の取り込み作用の抑制も明らかにした。またlipofibroblast由来EV刺激による肺上皮細胞の増殖作用が、阻害剤により抑制されたことから、アミノ酸の取り込みに作用する蛋白がEVによる細胞増殖作用の作用機序の一部であることが確認された。さらに同様な検討による喫煙刺激による細胞老化の亢進に対する抑制作用も、lipofibroblast由来EVのアミノ酸の取り込みに作用する蛋白が作用機序であることも明らかとなった。 ②慢性閉塞性肺疾患モデルに関しての検討を行った。6か月間の喫煙暴露モデルに対する有効性の検証を3か月間のEVの経気道投与により行った。6か月間の喫煙曝露により、気管支肺胞洗浄液での炎症細胞の増加を認め、lung fibroblast由来EVではなく、lipofibroblast由来EVのみが抑制することを見出した。呼吸生理学的な検討でも、気道抵抗や一秒率など気道閉塞の指標に関して、喫煙による悪化とlipofibroblast由来EV投与による改善を認めた。肺組織学的な検討でも、喫煙刺激による気道周囲の線維化や肺気腫様変化は、lipofibroblast由来EV投与でのみ改善を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
lipofibroblast由来のEVの有効性の機序解明に加えて、慢性閉塞肺疾患治療薬としての有効性が検証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
①肺胞II型上皮細胞のオルガノイド培養を用いた検討:肺胞II型上皮細胞のオルガノイド培養に対してlipofibroblast由来EVを作用して、その幹細胞性への影響と、アミノ酸の取り込みに作用する蛋白との関連から検討を行う。 ②慢性閉塞性肺疾患モデルに関しての検討:アミノ酸の取り込みに作用する蛋白自体への影響を、lipofibroblast由来EV群での影響を免疫組織学的に明らかにする。さらにII型肺胞上皮細胞に対する増殖作用をKi67陽性細胞カウントから検討を行う。さらに細胞老化に与える影響も、p21やp16の発現を含め詳細に検討する。 ③肺線維症モデルでの検討:ブレオマイシン肺線維症モデルを用いて、lipofibroblast由来EVの抗線維化作用を検証する。Day1にブレオマイシンを経気道投与し、lipofibroblast由来EVは線維下期のDay10からday21まで投与し、気管支肺胞洗浄や肺の採取を行う。ヒドロキシプロリンや、Masson染色により肺線維化を評価する。また肺組織での細胞老化やII型肺胞上皮細胞増殖能への影響なども同時に評価し、アミノ酸の取り込みに作用する蛋白も定量的に評価する。以上検討により、lipofibroblast由来のEVの有効性の機序解明に加えて、肺線維症及び慢性閉塞肺疾患治療薬としての実現可能性が検証できる
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