Project/Area Number |
23K24368
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Project/Area Number (Other) |
22H03109 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
横山 明彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10506710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 昭教 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任准教授 (60549567)
川村 猛 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (70306835)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 白血病 / 転写 / エピジェネティクス / 染色体転座 / 分子標的薬 / AF10 / 分子標的療法 / ヒストン修飾 / 自己複製 / MOZ / DOT1L |
Outline of Research at the Start |
本研究ではDOT1L複合体の構成因子であるAF10の変異遺伝子産物であるAF10 fusionが白血病を引き起こす分子メカニズムを解明し、メカニズムの理解に基づいた新たな治療法を提案する事を目指す。AF10はMLLやMOZなどのエピジェネティック因子と協調的に働機、白血病細胞の自己複製を促進すると考えられる。これまでにMENIN-MLL結合阻害剤とDOT1Lヒストンメチル化阻害剤の併用療法がMLL転座白血病に対して高い治療効果を示す事から、様々な白血病モデルを構築し、AF10転座白血病においてもこの併用療法が奏功するかどうかを検証し、新たな治療法を提案する事を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
自己複製とは親細胞と同じ遺伝子発現プロファイルを持つ娘細胞を生み出す増殖の一様式であり、がん細胞が無限増殖能を維持しながら増殖し続ける事を可能にする。近年、造血細胞において染色体転座の結果生じるMLL fusionやMOZ fusionが「自己複製を促進する転写システム」を恒常的に活性化することで造血細胞の無制限な増殖を引き起こしていることが明らかになってきた。本研究においてAF10転座型白血病の分子メカニズムを明らかにし、AF10変異によって引き起こされる異常な自己複製の仕組みを明らかにするとともに、メカニズムの理解に基づいて新たな治療法を開発することを目指す。 目的1:AF10転座白血病の分子メカニズムを解明する:マウス白血病モデルを用いた機能構造解析により、AF10転座によって生み出されるAF10 fusionはDOT1LとENLという二つのタンパク質と結合することで発がんドライバーとして働くことを見出した。2022年度中に、CALM-AF10, NUP98-AF10, DDX3X-AF10の必要機能ドメインを同定した。この結果、AF10 fusionはENLを介してMOZタンパク質と結合することで標的遺伝子に結合することを見出した。 目的2:AF10転座白血病の新規治療法を開発する:AF10 fusionがMOZ/ENL複合体を介して機能することが明らかになったため、MOZヒストンアセチル化酵素の阻害剤の治療効果をマウス白血病モデルにおいて調べたところ、著明な抗腫瘍効果を認めた。また、この治療効果はDOT1Lヒストンメチル化酵素阻害剤と併用することでさらに高まることが明らかになった。このことから、MOZヒストンアセチル化酵素阻害剤が新規治療法に応用できることが明らかになった。 これらの知見をまとめ、2023年度に論文に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はすでに、目的1の「AF10転座白血病の分子メカニズムを解明する」と目的2「AF10転座白血病の新規治療法を開発する」関する達成目標についてマウスモデルを使った全臨床研究の範囲内で多くを達成しているため、当初の計画以上に進展しているとした。今後は臨床応用を見据えて、製薬会社への創薬提案に必要なデータをとっていくことで、新たな治療法開発につなげることを目指す。現在、NUP98-AF10, DDX3X-AF10のマウス白血病モデルの構築を進めているが、なかなか白血病が発症しない。付加的な遺伝子異常が必要である可能性を考え、いくつかの変異とのコンビネーションを試している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画のように、より臨床に近い白血病モデルをトランスジェニックマウスやヒト検体のPDXモデルなどによって作成し、創薬提案へとつなげたい。一種類の変異遺伝子では発症に至らない可能性を考え、複数の変異のコンビネーションを試していく。また、シーズを持っている製薬会社とのコミュニケーションも同時に進める。また、分子メカニズムについてはまだ不明な点も多いので、より詳細にAF10 fusionの作用メカニズムを明らかにすることを目指す。特にAF10が結合するDOT1Lタンパク質の機能に着目して、DOT1Lがクロマチンを認識するメカニズムについて探索する。
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