Project/Area Number |
23K24369
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Project/Area Number (Other) |
22H03110 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54020:Connective tissue disease and allergy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡村 僚久 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10528996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 俊彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50803938)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 加齢関連T細胞 / ThA細胞 / T細胞 / B細胞 / T細胞 |
Outline of Research at the Start |
各種自己免疫疾患の発症は、加齢との関連が示唆されているが、加齢から自己免疫疾患発症に至る詳細なメカニズムは不明なままである。申請者は、加齢および自己免疫疾患と関連する新規CD4陽性T細胞サブセット「ThA細胞」を同定した(Science Immunology 2024)。ThA細胞は細胞障害活性とB細胞抗体産生刺激能を有し、炎症局所に浸潤している。本課題では、SLEを中心にThA細胞のエピゲノム解析を含めたマルチオームシングルセル解析を通じて、病原性ThA細胞が誘導されるメカニズムを解明し、疾患層別化バイオマーカーの探索および個別化医療開発の基盤となる創薬ターゲットの探索を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
高齢健常人は獲得免疫の低下を伴う一方、慢性炎症性病態を伴う疾患が増加し、各種自己抗体を認める割合が増えることが知られている。この様な一見矛盾する現象は、免疫老化による影響と考えられている。各種自己免疫疾患は生産年齢より発症することが多く、加齢との関連が示唆されているが、加齢から自己免疫疾患発症に至る詳細なメカニズムは不明なままである。当研究室では、400例を超える健常人および代表的自己免疫疾患である皮膚筋炎/多発性筋炎を始めとする各種自己免疫疾患のフローサイトメトリー解析およびRNAシークエンス解析を通じて、加齢および自己免疫疾患と関連する新規CD4陽性T細胞サブセットである「ThA細胞」を同定した。 トランスクリプトームはゲノムDNAとタンパク質を繋ぐ中間形質と位置付けられ、エピゲノムは遺伝子転写過程における後成的な調節メカニズムとして機能すると考えられている。生命現象を包括的に捉えるには、両情報を統合したマルチオミックス解析を行う必要がある。近年、同一細胞でエピゲノム情報とトランスクリプトーム情報同時に取得するsingle nuclear(sn) ATAC/snRNAseqマルチオーム解析が可能となっている。本課題では、自己免疫疾患患者ThA細胞のエピゲノム解析を含めたマルチオームシングルセル解析を通じて、pathogenic ThA細胞が誘導されるメカニズムを解明し、疾患層別化バイオマーカーの探索および個別化医療開発の基盤となる創薬ターゲットの探索を目指している。2023年度は、snATAC/snRNAseqマルチオーム解析を用いたThA細胞のepigenetic制御機構の探索や、ThA細胞のin vitroにおける誘導条件の検討、ThA細胞の機能解析などを中心とした検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題では、ThA細胞の免疫応答制御メカニズムを明らかにすることで、加齢に伴う免疫老化が、如何にして自己免疫疾患発症に繋がるかを解明することを目的としている。2022年度は、snATAC/snRNAseq マルチオーム解析を採用し、自己免疫疾患患者におけるトランスクリプトーム/オープンクロマチン情報の統合解析に向け、核抽出を含む検体処理からライブラリー作製、シークエンスまでを実施し、クオリティの高いデータの回収に成功した。2023年度は、マルチオーム解析用検体の回収を継続し、当該データのドライ解析に着手した。また、in vitroにおけるThA細胞誘導要件の探索を行い、ThA細胞誘導に必要なサイトカイン条件を定めた。さらに、ThA細胞のマスター制御遺伝子の同定と、その機能誘導にIFN-αが関与していることまで明らかとした。得られた成果の一部はScience Immunology誌(2024, doi: 10.1126/sciimmunol.adk1643.)に報告した。当該論文は、社会への公開を急ぐ必要のある論文として、同誌の”Immediate Release”に選出されるなど高く評価された。2023年度中に、2024年度に予定していた疾患層別化バイオマーカーとなる候補遺伝子の選定まで実施し、当初の計画以上に進展をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度までに蓄積したsnATAC/snRNAseq マルチオーム解析と臨床情報の統合解析を行うことで、新規治療標的探索、疾患層別化バイオマーカー同定とその検証を行う。新規治療ターゲットとなる分子は、健常人および当該自己免疫疾患患者の末梢血ThAを分取した後、siRNAを用いてノックダウンを行い、B細胞抗体産生刺激能および細胞障害活性の欠失を認めるかにつき検証を行い、有望な遺伝子についてはノックアウトマウスの作製を行い、SLE新規創薬開発の基盤とする。患者リクルートおよび、マウスin vitro, in vivo実験においては、駒井特任講師と共同で検討を進める。
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