Project/Area Number |
23K24377
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Project/Area Number (Other) |
22H03118 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有吉 紅也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30311400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 麗子 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 室長 (40567301)
泉田 真生 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (90567299)
清水 真澄 長崎大学, 病院(医学系), 助手 (90940982)
松井 昂介 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00866999)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | 結核 / ワクチン / 潜在性結核 / TCRレパトア / T細胞可塑性 / T細胞系譜 / CD4T細胞 / 制御性T細胞 / Th17 / ヒト免疫 / サイトカイン / インターフェロン / 結核診断 |
Outline of Research at the Start |
現在結核の診断法として活動期結核抗原に対するTh1リンパ細胞反応を測定するγインターフェロン遊離検査(IGRA)があるが発症予測や発症者と非発症者を区別することはできない。我々は,横断的研究により結核菌休眠期に発現される非活動期抗原(Acr)で刺激すると抑制性サイトカイン(IL-10)を産生する制御性T細胞が強く誘導されることを突き止め新規の発症予測マーカーになる可能性を見出した。本研究では,結核高蔓延国における大規模結核接触者縦断的研究を活用して結核発症前・後のT細胞反応を測定し未発症潜在性結核と比較することでその診断的意義を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は西アフリカのガンビア に位置するMRC Unit The Gambia at LSHTM で行われている大規模結核接触者前向きコホート研究の生体試料(末梢血単核球、PBMC)を使用して活動期結核抗原に対するTh1反応とTreg反応を測定し、結核発病前後の特徴を明らかにすることであった。当初は研究期間に発病した患者の発病前後のPBMCを解析対象とする予定であったが、現時点で発病者は3例と少数であり解析対象の変更を検討した。発病者の60%は感染後2年以内に発病することから、発病を規定する宿主免疫の違いを解明するために、発病者と結核菌の曝露を受ける濃厚接触者だが発病していない集団の免疫システムを比較することとした。初年度は、結核発病者(Case)と家族(Contact、QFT陽性)をインターフェロンγ遊離アッセイ(QFT)と、胸部単純写真、細菌学的検査により区別し、末梢血単核球(PBMC)を回収した。なお実際の解析対象にしたCase30例とContact30例はランダムに抽出されており、関連性はない。 今年度は古典的Th1応答以外のCD4T細胞の分化やサイトカイン産生に焦点をあてたマルチカラーフローサイトメトリパネル1を作成し、結核病態別PBMCをex-vivoで結核活動期抗原あるいは非活動期抗原で刺激して、specific cell populationを明らかにした(論文投稿準備中)。検査系への応用も考慮しサイトカインELISAも行っている。 細胞レベルの結核免疫応答は、PBMCと気管支肺胞洗浄液では異なる。よって結核菌に対する病巣の免疫応答を明らかにするために、気管支肺胞洗浄液を採取し、包括的理解を目的にシングルセル 解析を予定した。今年度は結核治療後の病巣から気管支肺胞洗浄液を回収し、シングルセル 解析の検査系を立ち上げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結核発病者が当初の見積もりより少数であったため解析対象を同一人物の結核発病前後のPBMCから、 発病者と結核菌の曝露を受ける濃厚接触者だが発病していない集団に変更した。これらの集団のリクルートは順調に行われ初年度は、結核発病者(Case)と家族(Contact、QFT陽性)をインターフェロンγ遊離アッセイ(QFT)と、胸部単純写真、細菌学的検査により区別し、末梢血単核球(PBMC)を回収できた。なお実際の解析対象にしたCase30例とContact30例はランダムに抽出されており、関連性はない。また当初は解析対象をTh1細胞、制御性T細胞とし、方法はそこから産生されるサイトカインを対象にしたELISAのみを予定していた。しかし当該研究所にハイパラメーターフローサイトメトリ が設置されており専任職員の協力を得たことから、結核発病を規定するCD4T細胞の解析対象を拡大することができた。このフローサイトメトリ ではすでに結果を得ており、結核発病を規定するT細胞系譜や結核が宿主に与えるT細胞可塑性について今後の研究の情報基盤を構築できた。なお肺局所の結核に対する免疫応答は、PBMCにおける免疫と異なることは多数報告がある。よって我々は現在までに、気管支鏡検査により肺胞洗浄液を採取し包括的なシングルセル解析を予定し、すでにセットアップを済ませることができた。これによりこれまでに得たPBMCでの結果と比較することで、結核感染が宿主に及ぼす肺局所免疫応答と末梢血での免疫応答を比較することができるため、ワクチン開発や新たな診断方法の確立につなげることができる。 この様に解析対象に変更や方法の変更はあったものの、当初の結核発病を規定する因子の解析とその検査への応用という点においては研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は細胞機能に焦点をあてた、マルチカラーフローサイトメトリパネル2を作成し、composition of immune cell populationsを明らかにする。MRC Gambiaのフローサイトメトリ 部門と打ち合わせがすみ抗体はすでに購入した。今後は条件設定に入る。対象集団は、結核発病者(Case)と家族(Contact、QFT陽性)に加えて、高曝露に関わらず感染成立しないregister群、結核治療後群も解析対象とする(清水担当)。これらの患者集団のリクルートはすでに行われている。 これらの結果に基づいて次年度以降の気管支肺胞洗浄液を対象にしたシングルセル解析につなげるため結核患者の治療後に病巣部位から気管支鏡を用いて肺胞洗浄液を回収していく(泉田担当)。一部は試験的にシングルセル解析を開始する。結果を参照し、肺胞洗浄液の採取箇所や対象を一度検討する予定である。これらの研究の統括は代表者によって行う(有吉担当)。得られたデータは臨床情報と合わせて解析を行う(宮原担当)。
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