Project/Area Number |
23K24434
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Project/Area Number (Other) |
22H03175 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤星 朋比古 九州大学, 医学研究院, 教授 (20336019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 正治 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 教授 (30304744)
白水 和宏 九州大学, 大学病院, 講師 (30568960)
戸井田 力 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (40611554)
姜 貞勲 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50423512)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 急性呼吸促拍症候群 / ホスファジルセリン / ナノドラッグ / 急性呼吸急迫症候群 / 急性肺傷害 / PSナノキャリア / エクソソーム / マイクロRNA / 急性炎症 / ナノ医薬 |
Outline of Research at the Start |
急性呼吸急迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome: ARDS)は重篤な呼吸不全を来たす、致死率の高い重篤な疾患であるにも関わらず、根本的な治療法は未だにない。 ARDSの病態には炎症が深く関わっており主に薬物療法としてはステロイドによる治療が試みられているが十分ではなく、スタチン製剤や好中球エラスターゼ阻害剤などの臨床試験では十分な有効生が示されていない。そこで、生体適合性の高いPS(ホスファチジルセリン)ナノキャリアを利用したIL-10PSナノキャリアのARDSの治療への可能性について検討することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
急性呼吸急迫症候群(ARDS)の病態には炎症が深く関わっており、主に薬物療法としてはステロイドによる治療が試みられているが、十分ではないのが現状である。これまでにもスタチン製剤や好中球エラスターゼ阻害剤なども臨床試験で試みられているが、未だに有効性が示されていない。そこで本研究では、生体適合性の高いナノ医薬を利用したマクロファージの形質転換が、ARDSによる不可逆的な肺線維化による機能不全を改善するのかどうかについて検証し、あらたな治療薬の創出を目指す。前年度までに、リポポリサッカライド(LPS)の気管内投与による急性肺障害モデルにおいてこのナノ医薬の治療効果を検討した。ナノ医薬のみにおいても肺障害の軽減がみられたが、生理活性分子と複合化したナノ医薬においてはより、肺浮腫、炎症細胞の浸潤の軽減がえられた。それに応じて、各種サイトカインも炎症性サイトカインの軽減が認められた。2023年度においてはまたIn vitroの研究において、マウスマクロファージのM1/M2の分化を検討したところ、いずれのナノ医薬ともにM1からM2への分化を促進した。またARDSの進行モデルとしてブレオマイシンによる肺線維化モデルにおいては、生理活性分子と複合化したナノ医薬において、肺線維化の著明な改善をみとめた。濃度調整等をさらにおこない、治療効果と副作用等とのバランスを現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の研究計画通りに進捗しており、急性期のマウス肺障害モデルでは、予想通りの結果を得ることができた。また、in vitroの研究においてより詳細なマクロファージの分化機構の検討を行うことができた。現在肺組織における2重染色法にてマクロファージの分型とサイトカインプロファイルを解析中である。また今年度は肺線維化への検討を行っている。著名な効果をみとめるものの、引き続き毒性や至適濃度の検討が必要である。最終年度までに評価を完了できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度においては、気管内投与マウスモデルおよび盲腸結紮モデルの2種類のARDSモデルにて、肺マクロファージにおける同技術によるマクロファージの機能変換が、急性肺障害に与える影響について検討する。検討するにあたり最初にARDSモデルマウス(CLPモデルまたはLPS投与モデル)を二群に分け(各8匹)、治療群には所定量のFITC封入ナノ医薬水溶液を、対照群には同量の生理食塩水を尾静脈から投与する。また、吸入治療群ではFITC封入ナノ医薬水溶液噴霧液を、対照群には整理食塩水の噴霧液を吸入投与する。投与濃度については検討課題とする。治療効果は生存率, 経時的血中酸素飽和度、ナノ医薬投与後6時間での摘出した肺の組織化学的評価、炎症性サイトカインの発現量(MCP-1,IL-6,IL-8, HMGB-1、TNF-α)、酸化ストレスマーカー(8-OHdG、4-HNE)の変動、肺胞洗浄液中マクロファージのM1(iNOS)、M2(Arginose1)のFACS解析を指標に評価する。本年度の研究によりナノ医薬および生理活性分子と複合化したナノ医薬の投与経路別の治療効果(伝送性)について明らかにする。また、将来の臨床応用を見極めるために、ナノ医薬の急性毒性(肝、腎機能)の有無についても生化学的に評価する。また、ブレオマイシンによる肺障害後の肺線維化においても同様の研究をすすめてゆく。
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