| Project/Area Number |
23K24445
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| Project/Area Number (Other) |
22H03186 (2022-2023)
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒川 芳輝 京都大学, 医学研究科, 教授 (20378649)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棗田 学 新潟大学, 脳研究所, 特任准教授 (00515728)
中川 正宏 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10431850)
土井 大輔 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点講師 (10587851)
垣内 伸之 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (90839721)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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| Keywords | グリオーマ / 正常脳 / IDH変異型クローン / 先制医療 / 3次元的網羅的ゲノム解析 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、正常脳組織のゲノム解析によるIDH変異型グリオーマ発生の分子基盤を解明し、早期診断・早期予防治療の標的分子群を同定する。正常脳組織を用いたIDH変異クローン、クローンによる組織再構築、クローンの進化と多様性の獲得、大脳オルガノイドにおけるIDH変異クローン拡大について未だ十分に解明されていない。そこで、正常組織での変異クローンの拡大と組織再構築に関する包括的な理解、がんの発生、進展、組織の老化に関する新たな視点での理解を探索する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
グリオーマは、腫瘍内多様性を獲得すると単一の細胞内シグナルを標的とする薬剤では治癒困難である。そこで、グリオーマ発生前の標的分子を同定し、早期診断、早期予防治療などの先制医療の開発が必要である。Isocitrate dehydrogenase(IDH)変異型グリオーマでは、IDHがドライバー遺伝子となる。しかし、正常脳組織においてIDH変異を有するクローンの存在や発生部位、IDH変異を有するクローンが乏突起膠腫、星細胞腫へと異なったクローン拡大に至る分子基盤について十分に明らかとなっていない。そこで、本研究では、正常脳組織のゲノム解析によるIDH変異型グリオーマ発生の分子基盤を解明し、先制医療を開発することを目的としている。新潟大学脳研究所所蔵の正常脳組織を用いたIDH変異の免疫染色解析では、IDH変異クローン集積部位は同定できなかった。そこで、分子バーコードに基づくエラー補正と極微量サンプリング、超深層シーケンスを組み合わせた高感度シーケンス法「Limiting Dilution Ultra-Trace Duplex Sequencing(UTDS)」を開発した。各年齢層を含む正常脳検体を用いてUTDSで解析することで予測病原性を有する体細胞遺伝子変異を全例で検出した。しかし、IDH遺伝子の変異は検出できなかった。これらの結果は、これまでの報告と異なり、正常脳でのIDH変異は神経膠細胞に抑制的な因子と働いていることが示唆される。そこで、human induced pluripotent stem(iPS)細胞にIDH1変異を導入するためのベクターを開発し、iPS細胞で作成したIDH1変異大脳オルガノイド樹立に挑戦している。また、膠芽腫検体を用いた単一細胞RNA/DNA同時解析でEGFR R108G陽性と陰性の集団を分離し、各々のRNA発現プロファイルを同定できたために、IDH変異再発グリオーマの検体数を増加して解析を進めた。しかし、単一細胞RNA/DNA同時解析方法は、脳腫瘍での安定した解析が難しいことが明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デジタルPCRでIDH変異を同定した新潟大学脳研究所所蔵の正常脳組織を用いてIDH変異の免疫染色解析を行ったが、IDH変異クローンの局在は同定できなかった。そこで、分子バーコードに基づくエラー補正と極微量サンプリング、超深層シーケンスを組み合わせた高感度シーケンス法「Limiting Dilution Ultra-Trace Duplex Sequencing(UTDS)」を開発した。UTDSはサイトあたり約70,000から450,000個の細胞数を制限し、抽出されたDNA全体を約5,000倍の深度でシーケンスすることで、変異アレル頻度(VAF)0.0005%の理論的検出限界を達成し、従来の方法に比べて約100倍の感度を実現できることが明らかとなった。本UTDS解析を正常脳検体で実施し、TP53、EGFR、PDGFRA、PTENなどの予測病原性を有する体細胞遺伝子変異が全例で検出することができた。しかし、本法を用いても、IDH遺伝子の変異を検出することはできなかった。開発を行った単一細胞RNA/DNA同時解析については、検体数を増やして解析を進めた。しかし、脳腫瘍検体に含まれる基質のために、生細胞濃縮時の選択、アリルドロップアウトの影響を受けて解析不良となる検体が多いことが明らかとなった。また、IDH1変異を導入したiPS細胞の培養条件検討を継続して行っている。
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| Strategy for Future Research Activity |
開発した高感度シーケンス法UTDSの解析手法を用いて正常剖検脳で予測病原性を有する体細胞遺伝子変異を同定したが、IDH変異を検出することはできなかった。これまでの結果は、正常脳の神経膠細胞や神経間細胞ではIDH変異が抑制的な因子と働くことが示唆されている。そこで、検体数を追加して、これらの結果について検証実験を行う。さらに、薬剤誘導型IDH1変異を導入したiPS細胞の培養条件を決定し、薬剤誘導型IDH1変異大脳オルガノイドの樹立し、神経幹細胞や神経膠細胞におけるIDH変異の機能解析を計画している。脳腫瘍の単一細胞RNA/DNA同時解析は、解析成功となる細胞調整が容易でなかったため、再度条件設定を検討する。解析に耐えうる細胞調整条件が決まれば、脳腫瘍遺伝子変異不均一性が高いIDH変異再発グリオーマの解析を再度実施し、IDH変異型グリオーマの悪性転化メカニズムの同定を試みる。
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