Project/Area Number |
23K24467
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Project/Area Number (Other) |
22H03208 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
篠原 正浩 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究室長 (60345733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60281515)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
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Keywords | 不動性骨粗鬆症 / 骨代謝 / メカニカルストレス / 骨細胞 / 破骨細胞 / ミトコンドリア / RANKL |
Outline of Research at the Start |
障害により身体不活動の状態が継続すると不動性骨粗鬆症を発症する。骨組織に対するメカニカルストレスの減弱が原因であるが、その分子メカニズムは必ずしも解明されているとはいえず、発症メカニズムに立脚した根本的な治療法は確立されていない。応募者らは迅速かつ簡便な不動性骨粗鬆症マウスモデルを確立し、得られた独自の知見を発展させ、1)不動性骨粗鬆症の病態に特徴的な発現変動を示す遺伝子の機能解明、2)不動性骨粗鬆症の発症時の初期応答メカニズムの解明、3)不動性骨粗鬆症の発症予防法の開発、の3つの研究を軸とし、不動性骨粗鬆症の病態理解を深め、新たな不動性骨粗鬆症の改善方法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
障害により身体不活動の状態が継続すると不動性骨粗鬆症を発症する。骨組織に対するメカニカルストレスの減弱が原因であるが、その分子メカニズムは必ずしも解明されているとはいえず、発症メカニズムに立脚した根本的な治療法は確立されていない。我々は迅速かつ簡便な不動性骨粗鬆症マウスモデルを確立し、得られた独自の知見を発展させ、1)不動性骨粗鬆症の病態に特徴的な発現変動を示す遺伝子の機能解明、2)不動性骨粗鬆症の発症時の初期応答メカニズムの解明、3)不動性骨粗鬆症の発症予防法の開発、の3つの研究を軸とした研究を展開する。この研究から不動性骨粗鬆症の病態理解を深め、新たな不動性骨粗鬆症の改善方法を確立する。 今年度は、モデルマウスの骨組織を対象とした網羅的遺伝子発現解析からミトコンドリア機能に重要な遺伝子群が有意に 低下していたことを明らかにしたことから、新規骨組織特異的遺伝子改変マウスの作製を行った。当該マウスは骨組織特異的に発現するSclerostinのコーデジング領域の最後にP2Aを用いてCre-ERT2をノックインすることで、骨細胞特異的なCre-ERT2ドライバーマウスとミトコンドリア機能に重要なAtp5f1b floxマウスを交配したマウスである。このマウスにおけるCre-ERT2の発現時期、組織特異性、タモキシフェンによるCre-ERT2の核内移行、Creリコンビナーゼによる遺伝子組換え効率の確認を行った。 これらの研究と並行し、不動性骨粗鬆症の発症予防法の確立に向けた研究も行った。これまでの解析から、不動後は継続的な骨吸収亢進が起こっていることが要因の一つと考えられたため、不動直後から骨吸収を阻害するDenosumabの投与を行った。その結果、Denosumabの単回投与により不動時の骨吸収亢進が顕著に抑制され、不動性骨粗鬆症の発症予防に有効であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた骨組織特異的Cre-ERT2マウスおよびミトコンドリア遺伝子floxマウスの作製に成功し、さらに両マウスの交配から骨組織特異的Cre-ERT2:ミトコンドリア遺伝子floxマウスを得ることができた。さらにCre-ERT2の発現時期や組織特異性などの評価を行った結果、実際に本研究で使用し、当初の目的を達成する目処がついた。また、モデルマウスを用いた不動化性骨粗鬆症の経時的解析により明らかとなった病態を基盤とした予防法の確立にも成功し、臨床応用への可能性を提示することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は不動性骨粗鬆症発症時の骨量低下が骨組織におけるAtp5bの発現低下に起因することを、骨組織特異的Atp5bノックアウトマウスを用いた解析により実証する。骨組織特異的Atp5bノックアウトマウス(最大骨量に到達する時期である生後10週齢)の後肢骨組織を用いて、microCT解析による骨量・骨構造の評価、骨形態計測解析による骨代謝細胞活性の評価を実施し、骨組織におけるAtp5bの発現低下およびミトコンドリア機能低下が骨量低下につながることを生体レベルで明らかにする。さらに、骨細胞のミトコンドリア機能低下が不動性骨粗鬆症の原因であることが判明した場合、現在糖尿病の治療で使用されているミトコンドリア機能改善作用を持つイメグリンを不動化もであるマウスに投与し、その治療・予防効果の検証を行う。 また、不動性骨粗鬆症の発症時の初期応答メカニズムの解明として、不動時の骨吸収促進につながる破骨細胞分化因子RANKLの発現細胞の同定および不動化によるRANKL発現制御のメカニズムの解明を図る。
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