Project/Area Number |
23K24468
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Project/Area Number (Other) |
22H03209 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
平田 真 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 部門長 (50401071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 浩一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90401257)
清 茜 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特任研究員 (30941512)
小田 智世 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 臨床検査技師 (60941549)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / 全ゲノム解析 |
Outline of Research at the Start |
全ゲノム解析等実行計画に基づき、がんの全ゲノム解析と臨床情報の収集が進められている。このプロジェクトの中で我々も希少がん領域の研究代表者・分担者として悪性骨軟部腫瘍の全ゲノム解析を進めている。ここで得られたデータを最大限活用しながら腫瘍の発生や進展に関わる分子病態を明らかにするためには、検出された遺伝子異常の機能解析、その発現の時間的空間的変化・分布を多面的に捉えていくことが必要である。 本研究計画では全ゲノム解析プロジェクトで収集される全ゲノム解析データ、臨床情報を活用しながら、追加のマルチオミックス解析を実施し将来的な骨軟部腫瘍のがんゲノム医療に資する統合ゲノムデータベースの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はAMED革新がんの全ゲノム解析プロジェクトで解析対象とした症例の腫瘍組織検体等の生体試料を用いてさらなるマルチオミックス解析を実施することで、全ゲノム解析プロジェクトで構築されるがんゲノム解析データベースに付随するマルチオミックスデータを取得し、悪性骨軟部腫瘍のゲノム医療の発展に向けたより詳細な網羅的・多層的な統合ゲノムデータベースを構築することである。本研究提案では、悪性骨軟部腫瘍のWGS解析、RNA-Seq解析結果に基づいて、症例を選定し、MinION/PromethIONによるロングリードWGS解析、DNAメチル化解析、ATAC-Seq解析などのエピゲノム解析、LC-MS等によるプロテオーム解析、メタボローム解析や空間的遺伝子発現解析(Visium)等を駆使し、網羅的・多層的なマルチオミックス解析を進める。2023年度は以下の研究計画を推進した。 ① 医療機関・解析機関ネットワーク維持・拡充と試料収集・管理: 2023年6月6日に全体班会議を行い、研究の進捗と今年度の予定、今後の研究方針について情報共有と協議を行った。また、本研究に関わる研究者と月1回の定例会議を開き、進捗管理を行った。全ゲノム解析に関わる症例を中心に臨床情報の収集とデータクリーニングを行った。さらに、解析対象症例の病理診断の確認のため、中央病理診断検討会を10回開催し、病理診断の確認を進めた。 ② WGS解析結果に基づく網羅的・多層的マルチオミックス解析: WGS、RNA-Seq解析データをもとに、統合的ゲノム解析を進めた。昨年度に引き続きWGS解析データを中心に組織型横断的ゲノムプロファイリングを進めた。また、これまでのEPIC アレイのデータからメチル化解析を行った。先行解析に倣い、メチル化のステータスによる組織型分類を進めたが、明確な組織型分類には現時点では繋がっていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の元となる全ゲノムシークエンスデータは2022年度中に受領し、その解析を継続的に進めている。プロファイリング解析は概ね予定通りに進められている。先行解析分と併せて600症例を超える症例についての全ゲノム解析データのとりまとめを進め、その研究成果については、国際学会を含むいくつかの関連学会で発表するに至った。対応する臨床情報の収集はほぼ完了しており、その入力情報の均一性を担保するためデータクリーニングも進めている。また、組織診断のもととなる病理学的診断については各症例の病理診断時のスライドを取り寄せ、一部は未染プレパラートも受領して、中央病理診断担当の病理医と定期的なミーティングを行い、診断の確定や診断に疑義のある症例の洗い出しを行った。臨床情報とゲノム解析のデータを統合した解析も行う為に共同研究者へのデータ共有を進めた。 RNA seq解析についても先行解析分、AMED革新がん分をそれぞれについて解析を進めることが可能であった。ライブラリ作成の方法がプロジェクト間で異なるため、遺伝子発現データの統合解析は難しい状況であるが、融合遺伝子解析については統合して解析を進められた。さらに、メチル化解析データの解析にも着手し、メチル化ステータスによる組織型分類についての検討を行うことができた。次年度においても継続的に解析を進める予定である。以上から、現在までの進捗状況としては、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
WGS解析、RNA seq解析等のデータ解析を引き続き実施すると共に、2022度に実施したロングリードWGS解析、DNAメチル化解析のデータ解析を継続する。また、これらに関連する症例の臨床情報収集も継続的に実施する。さらに、これらの解析結果を踏まえて、更なる網羅的・多層的なマルチオミックス解析を進める。 ① 医療機関・解析機関ネットワーク維持・拡充と試料収集・管理: 研究事務局において共同研究機関のサポート、プロトコールの統一化、登録症例のデータベース化を進める。また班会議を開催し、試料収集や研究進捗状況の報告、新規研究・共同研究の提案などを審議する。さらに全ゲノム解析の対象とした組織型を中心に検証用の症例登録、試料収集を継続する。 ② WGS解析結果に基づく網羅的・多層的マルチオミックス解析: 全ゲノムシークエンス解析プロジェクトで先行して得られるWGS、RNA-Seq解析データをもとに、検出された遺伝子異常に応じて症例を選定して統合的ゲノム解析を進める。2022年度において実施した一部解析結果に基づいて、今後も統合的ゲノム解析としてはDNAメチル化解析などのエピゲノム解析やロングリードシークエンス解析、メタボローム解析等を検討する。一連の解析結果はWGS、RNA-Seq解析データベースと突合し、骨軟部腫瘍の統合的ゲノムデータベースの構築を進める。 ③ 新規独立検体を用いた検証解析: WGS解析や②の解析を通じて高頻度に同定され、治療標的としても有望であると考えられる遺伝子異常が検出された場合、①の体制の中で別途独立検体の収集を行い、検出された遺伝子異常に応じた検証解析を行う。この場合は網羅的解析ではなく標的を絞った解析を実施し、効率的かつ感度・特異度を考慮した個別の解析を実施する。
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