Project/Area Number |
23K24503
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Project/Area Number (Other) |
22H03244 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
外園 千恵 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30216585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
上田 真由美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (60398386)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | SJS/TEN / 自然免疫 / 遺伝子解析 / 角化 / 眼表面上皮 / マイクロアレイ / TLR3 / ポリジェニック解析 / 眼合併症 / 微生物 / ゲノム解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、SJS/TENによる失明の回避と予後向上を目的に、眼表面の炎症の病態解析、新規手法によるゲノムデータ解析を行い、自然免疫応答異常と病態の関連を明らかにして、発症予防、発症後の治療、発症予測に役立てる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、SJS/TENによる失明の回避と予後向上を目的に、眼表面の炎症の病態解析、新規手法によるゲノムデータ解析を行い、自然免疫応答異常と病態の関連を明らかにする。 本年度は、 眼表面(OS)疾患の慢性期における病的角化の分子メカニズムを調べるために、Stevens-Johnson症候群、眼瘢痕性類天疱瘡、前眼部ブドウ球腫の3名の病的角化症患者から得られた眼表面上皮細胞について、オリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて網羅的な遺伝子発現解析を行った。一部の転写産物における発現は、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を用いて確認した。その結果、コントロールと比較して、病的角化上皮細胞では3118遺伝子が2分の1以上の有意な発現上昇を示した(P < 0.05)。角化、脂質代謝、酸化還元酵素に関与する遺伝子はアップレギュレートされ、細胞応答に関与する遺伝子や転写因子(TF)はダウンレギュレートされた。これらの遺伝子について、さらに遺伝子オントロジー解析と既知の報告により、TFとレチノイン酸(RA)に関する解析を行った。TFであるMYBL2、FOXM1、SREBF2の発現は上昇し、TFであるELF3の発現は有意に低下した。AKR1B15、RDH12、CRABP2、すなわち角化を抑制することが知られているRAに関連する遺伝子の発現は20倍以上増加し、RARB、RARRES3遺伝子の発現は50分の1に減少した。CRABP2、RARB、RARRES3の発現変化はqRT-PCRでも確認された。これらの結果から、病的角化眼表面では、ビタミンA代謝異常を含む共通の転写産物の変化が病的角化のメカニズムに関与していると考えられた。 また、本年度は、自然免疫に着目した眼表面の炎症病態の解析も継続して行っている。さらに、ゲノムデータの新規解析法による疾患発症リスクの解析も継続して解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然免疫に着目した眼表面の炎症病態の解析についても、一つ論文を出版しており、重要な成果を得ている。自然免疫および炎症に着目した眼表面における瘢痕化・角化の解析についても大きな成果を得ており、、現在、論文投稿中である。ゲノムデータの新規解析法による疾患発症リスクの解析についても、研究協力者(理化学研究所 生命医科学研究センター 莚田泰誠チームリーダー)と一緒に解析を進めており、全体としても、おおむね順調に進展していると考えらえる。
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Strategy for Future Research Activity |
自然免疫に着目した眼表面の炎症病態の解析と、ゲノムデータの新規解析法による疾患発症リスクの解析を継続して、SJS/TENによる失明の回避と予後向上を目的に、自然免疫応答異常と病態の関連を明らかにして、発症予防、発症後の治療、発症予測に役立てる。
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