Project/Area Number |
23K24528
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Project/Area Number (Other) |
22H03270 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 英史 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10284514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友清 淳 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20507777)
長谷川 大学 九州大学, 大学病院, 講師 (20757992)
糸山 知宏 九州大学, 歯学研究院, 助教 (50884433)
小幡 純子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70759448)
杉井 英樹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80802280)
濱野 さゆり 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40757978)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | ヒト歯髄細胞 / 老化 / 歯髄細胞 / 象牙質/歯髄複合体 / 加齢変化 / スーパーオキサイドディスミューターゼ2 / SOD2 |
Outline of Research at the Start |
高齢者で増加している歯の破折の原因として、象牙質/歯髄複合体の加齢変化が考えられるが、これまで象牙質/歯髄複合体の加齢の機序について研究した報告はほとんどない。最近、申請者らは、活性酸素分解酵素の1つで、ミトコンドリアに局在するSuperoxide dismutase 2 (SOD2)がヒト歯髄細胞の老化に関わっていることを明らかにした。以前の研究で、ヒト高齢者の象牙芽細胞には古いミトコンドリアが貯留することが報告されている。そこで、本研究では、ミトコンドリアの代謝異常とSOD2の機能低下による酸化ストレスを標的として、象牙質/歯髄複合体の加齢変化の機序について解析することを目的とした。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは、加齢に伴い象牙質の石灰化が亢進し歯髄腔の狭小化が亢進するが、これをマウスで確認した。老化モデルマウスであるSAMP6は、コントロールのSAMR1マウスと比較して、週齢と共に切歯の歯髄腔が狭小化することが確認できた。このメカニズムを解明するために、我々は酸化ストレスによる老化の亢進が関与すると仮説を立てた。 ミトコンドリアに局在し、活性酸素の分解酵素であるSuperoxide Dismutase 2 (SOD2)の発現を、siRNAによって抑制したヒト歯髄細胞において、活性酸素の上昇を確認した。この細胞は、老化マーカーであるp16, p21, p53ならびにSA-betaGalの発現が亢進し、SOD2の発現抑制が歯髄細胞の老化を誘導することが示唆された。さらに、象牙芽細胞誘導培地での培養によって、石灰化が亢進したが、この培養系にp53インヒビターを投与することで、石灰化が抑制されたことから、SOD2の下流にp53があり、老化および石灰化を制御することが示唆された。 また、ヒト歯髄細胞の老化の解析を加速させるため、抗がん剤で、細胞老化を促進することが報告されているエトポシドを用いて解析を行った。その結果、上記の老化マーカーの発現が亢進し、老化が促進したことが明らかになった。さらに老化した歯髄細胞は象牙芽細胞誘導培地で培養することで、象牙芽細胞分化が亢進することが明らかになった。この結果は、2024年第160回日本歯科保存学会学術大会で発表予定である。 以上より、歯髄細胞の老化によって、象牙芽細胞分化が亢進し、これに酸化ストレスが関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高齢者の抜歯例が非常に少ないため、想定したようには解析が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
SOD2、mTORC1およびp53の発現の比較解析 若齢と高齢マウスの歯髄および象牙芽細胞におけるSOD2発現解析し、mTORC1については、その構成タンパクであるRaptorの発現、ならびにmTORC1によって誘導されるp53の発現を比較解析する。また、老化に伴うミトコンドリアの活動性とSOD2発現および活性の解析を主軸として、その前後のシグナルについて動的解析を進める。 mTORC1およびSOD2の象牙芽細胞の加齢への影響の解析 mTORC1の発現を抑制した歯髄細胞を用いて、SOD2活性の確認のため、スーパーオキシドの発現およびH2O2の発現について、それぞれ、MitoSOX Red Mitochondrial Superoxide IndicatorおよびDetectX Hydrogen Peroxide Detection Kitを用いて明らかにする。加えて、酸化ストレスの解消をみるために、SOD2の下流で、H2O2の分解に働くカタラーゼの活性についてもCatalase Colorimetric Activity Kitを用いて解析する。また、mTORC1の発現を抑制した、高齢マウスからの歯髄細胞を用いて、p53の発現抑制の確認と、この細胞を象牙芽細胞誘導培地にて培養し、象牙芽細胞関連因子(DMP1, DSPP, Nestin, Osteocalcin, Osteopontin)の遺伝子発現および石灰化への影響について解析する。また、この系にp53発現ベクターを導入して、石灰化への改善をみるレスキュー解析を行う。 SOD2を起点とした加齢に関わるシグナル因子の検出 歯髄・象牙芽細胞の加齢変化において、SOD2の抑制によって、その下流で働くと考えられる「老化関連シグナル」について明らかにする。
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