Project/Area Number |
23K24556
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Project/Area Number (Other) |
22H03298 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 温 東北大学, 大学病院, 准教授 (50333828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 康志 東北大学, 理学研究科, 教授 (00272005)
星 久美 東北大学, 大学病院, 医員 (00910415)
岡 壽崇 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究副主幹 (70339745)
篠田 壽 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (80014025)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | 福島第一原発事故 / 外部被ばく / 歯 / ESR計測 |
Outline of Research at the Start |
2011年3月に福島第一原発事故が発生し10年以上が経過したが、環境に残る長期半減期を持つ放射性核種による低線量長期被ばくの影響を評価することはきわめて重要である。歯は形成されて以降は代謝を受けないという特徴がある。さらに、歯には放射線にさらされると特有の炭酸ラジカルが発生し長期にわたって保持され、それを測定することで歯の外部被ばく量を明らかにできるという特性がある。本方法は今までは高線量領域で用いられていた手法であるが、本研究において福島第一原発事故後の環境に適応できるよう改良し、歯を用いた包括的被ばく量測定システムの構築を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、従前の収集フローを踏襲し、福島県歯科医師会との協働で福島県を中心とした日本全国から脱落乳歯の収集を、アーカイブ化を行いながら実施したが新型コロナウイルスの影響から当初予定していたペースで収集できず研究期間を通じて併行して収集を行うこととした。アーカイブ化は収集歯の提供者の情報、提供歯科医院情報、福島第一原発事故時点での年齢などをデータベース化し、歯については洗浄したのちに、頬側面観、舌側面観、咬合面(切面)観、近心面観、遠心面観のマクロ写真、IP解析面である頬側面のう蝕や修復状況、全体のう蝕や修復状況を観察しデータベースに格納した。収集歯は2022年度で合計427本であったが乳歯であった収集歯は373歯、部位別では乳前歯189歯、乳臼歯は184歯であった。この期間に収集した歯について放射線強度のIPによるスクリーニングを実施したところ、特に大きなQL値を示した歯を認めなかった。今回収集された歯で、福島第一原発事故直後に形成が終わっている歯は 79本であった。しかしながらう蝕や修復が施された歯を除くとわずか8歯であり、有効なエナメル質がどれほど回収できるかについてが今後の試料確保のための重要なファクターであることが判明した。また、乳歯以外に震災時形成されている歯(矯正目的で抜去された小臼歯や第三大臼歯)についても対象にできるが、一般的にこれらの歯を抜去する際は事前にCT撮影、パノラマX線撮影やデンタルX撮影などの医療被曝についても考慮する必要があるものと考えられた。特にCT撮影については吸収線量が数十mGyに及ぶ場合もありESR計測時にはその影響を考慮する必要がある。したがって、これらの歯についてはESR計測の対象歯であるが、計測を行うための分な試料質量を確保するための方略や、医療被曝の影響については、次年度以降、歯の収集を継続しながら実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は歯の収集を主に実施しようとしたが、収集状況が予想より低迷していた。原因として考えられたことは新型コロナウイルスの流行が一因になるものと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
歯の収集の遅れについては、研究機関全体を通じて実施し、適宜データベースへのアーカイブを行いながら研究を遂行していくこととした。2023年度はIAEAのサンプル調製のプロトコールを、本研究課題のために改変した調整方法の開発を主眼に行う。エナメルサンプルの調整について基礎的な検討を行った。ESR計測におけるエナメルサンプルの要件は純度の高いエナメルを得ることで、そのためには前処理が必要であるが、その過程である程度エナメル質の損耗が避けられないといでぃメリットがある。一方で本研究課題で収集したサンプルは貴重であるためその損耗を最小限にしたいがIAEAのプロトコールではエナメル質以外の歯質を失ってしまう。それらを解消するための試料調整方法と、計測に必要なサンプル量の検討を行い、以後の検討に用いる試料調整方法の確立を行う。
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