在宅移行期にある多疾患併存状態の高齢患者に関し病院医が在宅医に提供すべき診療情報
Project/Area Number |
23K24579
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Project/Area Number (Other) |
22H03321 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉本 なおみ 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (70288124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 郁子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (10197767)
大西 弘高 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90401314)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,170,000 (Direct Cost: ¥10,900,000、Indirect Cost: ¥3,270,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 診療情報提供書 / 在宅(医療)移行期 / 多疾患併存状態 / 高齢者 / 病診連携 |
Outline of Research at the Start |
「多疾患併存状態の高齢者が在宅医療に移行する際、それまで通院していた在宅療養後方支援病院の医師が、これから主治医となる在宅医療機関の医師に提供すべき情報は何か」を探る。①病院医対象インタビュー調査、②在宅医対象アンケート調査、③病院医対象アンケート調査を実施し、「在宅移行期にある多疾患併存状態の高齢者に関し在宅医療機関宛診療情報提供書を作成する病院医のためのチェックリスト」を作成・公開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
「在宅移行期にある多疾患併存状態の高齢者に関し在宅医療機関宛診療情報提供書を作成する病院医が在宅医に提供すべき情報」の同定という目的の達成に向け、下記の調査を行った。 【方法】2022年12月-2023年1月,関連学会・調査会社経由にて,過去3年以内の在宅医療経験を有する卒後6年目以上の医師に協力を依頼し(慶應義塾大学看護医療学部研究倫理委員会承認307),回答者属性,不備のあった項目とその際の対応や要望を問う調査を行い185名分の有効回答を得た. 【結果】回答者の卒後年数平均22.0(SD=10.2),在宅医療経験年数平均10.9(SD=8.0), 在勤地は神奈川(16%),東京(13%),大阪(12%),宮城・愛知・兵庫(各11%)の順に多かった. 不備項目は,患者の要望(96%),家族の意向(92%),家族の人物像・介護力(各91%),増悪・急変対応や再入院可否(各91%)の順に多かった.その中で再入院の可否だけは医療連携室経由での確認が最多(37%),その他の場合には患者・家族に聞くという対応が最多(要望66%;意向58%;人物像49%;介護力58%;増悪・急変46%)であった.一方,不備があっても対応しない項目として処方根拠と,書類作成上必要な情報が挙げられた. 【考察】不備項目の中には,増悪・急変対応のように医療連携室・患者・家族経由での確認や主治医への書面照会では正確性・即時性が損なわれうる情報が含まれていた.今後は回答者の経験年数や地域と回答傾向の関連性を分析し,より正確な実態把握を目指す.また不備でも対応しない項目は,その適切性や理由を自由記述回答等を手掛かりに探る必要がある.その上で各種書式の標準化・共用や,退院前カンファレンスのような口頭・同期型情報共有の可能性や課題を論じる必要もある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際学会参加がコロナ禍により中止となった点を除けば、非常に順調に進展している。2022年度当初に計画していた2つの調査(在宅医100名を対象とするアンケート調査および病院医10名を対象とするインタビュー調査)は順調に完了した。 まず、在宅医を対象とするアンケート調査では、予定数100を大幅に上回る約190名の医師から回答が得られた。この結果はすでに量的分析を終え一次的結果を得ている。 一方、病院医を対象とするインタビュー調査では、予定していた10名のうち8名分の面接を完了し、インタビュー録画に基づき逐語録の作成を終えている。残りの2名分についても研究協力者の内諾をすでに得ており、研究班との日程調整が完了次第インタビュー・文字起こしを行い、全10件分のデータが揃い次第質的分析を付す準備ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、これまでの研究成果の公表と並行して、データ収集を次の段階に進める予定である。具体的には、すでに演題登録済みの国内学会(日本在宅医療連合学会 2023年6月新潟)・国際学会(All Together Better Health XI、2023年11月カタール国)で発表を行う。また関連学会誌への論文投稿を行う。 データ収集の次の段階としては、病院医対象インタビュー調査の残り2名分を完了した後、全件に対して質的分析を行い結果を関連学会で発表すると同時に、その内容を踏まえた病院医100名を対象とするアンケート調査を準備・実施する。これにより「多疾患併存状態で在宅医療に移行する高齢者に関し、在宅医が求める診療情報の中で、病院医が妥当と考える項目」を解明し、病院医・在宅医両者への提言に繋げることが、2023年度の研究活動の目標である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)