気象・周辺環境情報を統合した保健医療情報基盤構築と個人・環境要因の複合的影響評価
Project/Area Number |
23K24586
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Project/Area Number (Other) |
22H03328 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
西 巧 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (20760739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 准教授 (50555555)
今任 拓也 福岡大学, 薬学部, 講師 (20368989)
松本 晃太郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (60932217)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | レセプトデータ / GIS / 統計的機械学習 / 熱中症患者数 |
Outline of Research at the Start |
超高齢化社会の到来による社会保障制度の持続可能性に対する脅威のみならず、気候変動による暑熱・異常気象等の問題によって、経済・社会活動の持続可能性が大きな脅威に晒されている。これらの両者に対応するためには、保健医療情報と気象情報等の収集と分析が必要不可欠である。しかしながら、小地域レベルでこれらの情報を統合した利活用可能な情報基盤は存在しない。 そこで、本研究は保健医療介護縦断データベースとGISの連携により、気象要因と居住地周辺の建造環境を統合した保健医療介護情報基盤を構築し、統計的機械学習の手法を用いることで、個人要因と環境要因が疾患の発症・予後に与える複合的な影響を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、前年度に実施できていなかった建造環境のうち、植生指標のデータベースへの追加・統合を行い、居住地周辺の気温や大気汚染物質といった気象要因と植生指標が熱中症による受診に与える影響を評価した。 統計ソフトRのMODIStspパッケージを用いて、衛星画像(Terra/MODIS)ラスタデータから、 1ヶ月・1kmメッシュ植生指標の正規化植生指数(NDVI:Normalized Difference Vegetation Index)の数値を取得した。このラスタデータに郵便番号境界のポリゴンデータを重ね、居住地郵便番号単位の平均NDVIを算出した。気象/大気データは居住地郵便番号の中心座標から最近傍の測定局データを取得し、これらのデータとレセプトデータの日・郵便番号別集計値と連結可能な形に変換した。熱中症の発生日は、基本診療料の算定日及び対象疾患の傷病の診療開始年月日から推定された外来受診日と入院日とした。 熱中症入院・外来受診件数を目的変数とし、最高気温と降雨量、オゾン、土曜日・日曜日・祝日ダミー、NDVI(0.1単位ごと)を投入したポアソン固定効果モデルによってこれらの影響を明らかにした。 NDVIの発生率比は外来受診件数:0.95[0.91-0.99]、入院件数:0.92[0.89-0.96]と有意な関連が見られた。 前年度にレセプトデータを用いて明らかにできた入院・外来別の最高気温と熱中症による受診の関連に加えて、NDVIが0.1単位増えるごとに熱中症による受診リスクが減少することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NDVI以外の建造環境についてもデータベースへの追加・統合を行ったものの、時系列によって変化する要因の測定周期が日単位や2週間毎と異なっており、モデルの構築が困難となっている。このため、当初計画の一部を変更する必要が生じており、やや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2012~2022年度の特定健診受診者を追跡し、急性心筋梗塞、脳卒中、心房細動・粗動による入院予測モデルを構築する。受診者を正常、保健指導域、要医療域の3つのリスク階層に層別し、複数年度の受診歴があるものは各層で最初の受診を起点とする。 健診翌年、3年以内、5年以内のDPC入院を目的変数とし、健診における検査と問診票項目の変数のみを投入したモデル、気象要因と建造環境と相互作用を追加したモデル、2014年度以降の受診者に限定し、前年度のレセプトデータから作成した受診歴の変数を追加したモデルを作成する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)