Project/Area Number |
23K24587
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Project/Area Number (Other) |
22H03329 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
尾内 善広 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30360522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 慶子 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (50415329)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥15,080,000 (Direct Cost: ¥11,600,000、Indirect Cost: ¥3,480,000)
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Keywords | 新型コロナワクチン / 抗体価 / 副反応 / 遺伝要因 / 個別化医療 / HLA / 免疫グロブリン |
Outline of Research at the Start |
新型コロナワクチン接種後の抗体価上昇や副反応の個人差の背景が明らかになれば,副反応の回避.至適ワクチンの選択,再接種プログラムの個別化などにつながり,社会へ寄与が期待できる. 本研究では個人の遺伝要因に注目し,ファイザー社のワクチンを受けた成人を対象にゲノムワイド関連解析および免疫グロブリン重鎖の候補遺伝子解析を実施する. 抗体価上昇や副反応リスクに関わる遺伝子や分子パスウェイを特定し背後の分子メカニズムに迫ると同時に,遺伝情報を臨床的なパラメータと組み合わせ,低抗体応答,副反応ハイリスク者を予測するモデルを機械学習の技法も用いて構築することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
2回の新型コロナワクチン接種(Pfizer/BioNTech BNT126b2)を受けた2015名の千葉大学医学部附属病院職員対象者のうち、2回目接種2-5週後における抗Spike抗体価、性別、年齢、飲酒量、接種ワクチン間隔、2回目接種後抗体価測定までの期間の情報が先行研究でデータ欠損なく取得済みである1512人を抽出し、昨年度中に実施したイルミナAsian Screening Arrayによるジェノタイピングデータを用い、ゲノムワイド関連解析を実施した。 まず所定のクオリティチェックにて一塩基バリアントとサンプルの除外を行い、関連解析に用いる1472サンプルについての466,867箇所の一塩基バリアントの遺伝型データセットを作成した。続いてNBDCおよび1000genomesの公開データにより構築した3541サンプルの遺伝型参照データを用い、全ゲノムインピューテーションを行った。 接種後抗体価の対数を目的変数、各一塩基バリアントのアレル数を説明変数、性別と主成分1-10を共変量とした一般化線形モデルによる関連の検討をplinkソフトウェアで実施した。 その結果、ゲノムワイド研究の有意水準(p < 5.0 x 10-8)を満たす関連シグナルを6番染色体短腕のHLAクラス1およびクラス2領域内に見出された。さらに、対象者を男女に層別化して解析した結果、class1領域の関連は女性に特異的であり、class2の関連も女性に相対的に強い傾向があることが確認された。本研究の対象者について実施した研究グループの先行研究において、性別が新型コロナワクチン接種後の抗Spike抗体価の個人差の独立した背景要因であることが見出されており、そのメカニズムについて示唆に富む知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にIGHV3-66およびIGHV3-53のバリアントを候補とした解析により新型コロナワクチン接種後の抗体価上昇にホストの遺伝要因が性別、年齢、服薬などの既報の要因とは独立した影響を持つことが証明しえた。昨年度は全ゲノム関連解析およびNBDCのリファレンスパネルを用いた全ゲノムimputationを予定通り遂行し、結果としてゲノムワイド規準を満たす関連のシグナルを見出すことに成功している。ワクチン接種後の副反応リスクの遺伝要因の探索については今年度まで未実施であるが、解析準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノムワイド関連解析により見出されたHLA遺伝子座の一塩基バリアントのジェノタイプデータに対し、深層学習を用いたHLAインピューテーション法を実施し、HLA遺伝子のアレルを予測、HLA遺伝子産物のアミノ酸配列、およびそのハプロタイプ(HLAアレル)のレベルでの関連解析を行い、新型コロナワクチン接種後の抗体獲得の個人差、性差の背景にあるメカニズムに関する洞察を得る。 同様に、ワクチン接種後の副反応の種類別(発熱、関節痛、接種部位の腫脹等)の有無を個別に、あるいは項目数や程度の情報によりスコア化し、それらと関連する遺伝要因のゲノムワイド探索を進める。
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