Project/Area Number |
23K24610
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Project/Area Number (Other) |
22H03352 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白井 こころ 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (80530211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権藤 恭之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (40250196)
磯 博康 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, グローバルヘルス政策研究センター長 (50223053)
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
武田 朱公 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (50784708)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | 健康長寿 / ポジティブ心理要因 / 認知症予防 / 高齢期の健康課題 / 健康の社会的決定要因 / Well-being / 認知症 / 生活習慣病予防 / 認知機能 / 幸福度 / 笑い / 高齢者 / 幸福感・Well-being |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、高齢期の認知症予防や介護予防を進め、幸福な老いとWell-beingの実現に資する、社会心理的資源を明らかにすることである。超高齢社会日本において、認知症や生活習慣病発症のリスク因子の特定は重要である。本研究では、特にポジティブな心理的健康資源に着目し、社会経済的背景や社会的環境を考慮にいれた社会疫学的方法を用いて、健康を守る資源について検討を行う。方法として、大規模コホート研究データを用いた観察研究と、笑いなどの改変可能な行動への介入を含めた研究を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人のつながりなどの社会関係や、ポジティブな心理要因が、個人・地域の健康資源であることを仮説とし、中高年期の認知症発症、生活習慣病の発症・死亡を含む健康長寿と関連する要因の検討を行った。加えて、アウトカムワイドやネットワーク解析の手法などを用いて、広く健康とWell-beingの達成に影響する因子について、検討を進めた。 認知症については、社会経済的状態の変化、笑いやストレス対処能力(SOC)、サポートの授受や社会参加、通いの場への参加など、地域個人の健康を保持する要因に着目し、観察研究の手法で検討を進めた。笑いなどの改変可能な行動要因については、観察研究データによるエビデンス構築を進めると共に、介入研究による効果検証を行い、社会実装を視野に入れて研究を推進した。本年度の成果として、観察研究データの収集と介入研究の実施、分析結果の論文・学会報告、自治体と連携した健康教室の実施など研究結果の地域還元などが挙げられる。国際的な発信としても、共同研究会議の開催、ランセット認知症委員会への報告と、国際共著論文の執筆を行った。特にSocialSupport, Social Participation, Social networkなどの社会関係と、認知症発症・死亡との関係について、エビデンス整理と世界への報告に寄与した。さらに、中高年期の健康長寿と、Well-beingに関連するデータの収集と分析を行い、Fulorishing indexなどを加えて、個人のレジリエンスとしてのストレス対処能力、笑いや幸福感情など、State, Trait ,Behaviorなどそれぞれの要因について検討し、ポジティブ心理要因と高齢期の健康長寿の関係を報告した。食習慣等の生活習慣要因に加えて、環境のレジリエンスとして気候変動等、Planetary Health に関する検討も関連して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の主な成果として、予定していたデータ収集を一部地域において実施し、観察研究と介入研究の両方を実施すると共に、国内外の共同研究者との論文執筆、国際会議での検討・発信、さらに国内地域での研究結果の還元を行った。データ収集とデータの結合等については、協力自治体等との調整の結果、タイムラインを変更して実施する予定である。一方で既存データを用いた市町村への結果の還元等は、科学的エビデンスの報告と併せて実施している。国際的な成果としては、英国のUCL校、北京大学、清華大学との国際研究会議の開催ならびに、Lancet Commission Dementia Research委員会での共同研究では、教育歴等の社会的要因に関する章と、社会関係に関する章の作成を担当し、認知症のエビデンス構築、研究成果の整理と世界への発信について、寄与した。地域における観察研究によるデータ収集と分析、介入研究による改変可能な要因ついての効果の検証、地域への結果の還元、国際共同研究体制による世界への結果の発信等については、順調に予定した成果を挙げていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の検討の予定として、調査実施を延期した地域において、データ収集ならびにデータ検討を行う計画を進めている。自治体との再調整ならびに共同研究機関における実施体制の再構築について、調整を進めている状況である。今後、感情や性格傾向、レジリエンス要因など、ポジティブな心理要因の検討を進め、Well-being研究との関連性についても整理を行う。 また、ポジティブな心理要因に加えて、社会関係要因、社会経済的背景要因、環境要因など、関連する健康資源の重層的な関連性を、アウトカムワイドや機械学習の手法も用いて検討する予定である。さらに効果の異質性検討なども視野に入れて、介入や今後の社会実装に寄与する結果となる分析を進める予定である。そのためにも、現在進捗している大規模コホートデータを用いた、原因-結果の関係の検討に加えて、メカニズムの検討を進めることを計画している。今後、Healthy Agingの関連要因について、多面的な検討を行い、量的データによる分析と、一部対象者に対する質的なデータ分析を進め、Mixed Methodなどによる融合した検討結果として報告する方法を用いることで、より精緻な内的構造についても検討を進めたいと考えている。
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