高齢者の身体的虐待の特徴と傾向に基づく関連機関の連携に関する研究
Project/Area Number |
23K24669
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Project/Area Number (Other) |
22H03411 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
櫻田 宏一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰岸 沙希 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00882820)
戸谷 麻衣子 公益財団法人老年病研究所附属病院(診療部医局、診療部検査課、群馬県認知症疾患医療センター、前橋市認知, 診療部医局, 歯科医 (10900045)
池谷 博 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30292874)
鵜沼 香奈 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授(キャリアアップ) (30586425)
上村 公一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30244586)
井上 郁 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60628642)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 高齢者虐待 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、法医学教室でこれまで扱った虐待もしくは虐待が疑われた法医解剖事例、各関係機関で取り扱った身体的虐待事例の詳細及び各機関の連携状況についての詳細な調査、並びに今後取扱う法医解剖での関連事例からの所見採取により、顎顔面・口腔領域を含む法医学的所見の特徴とその他の各要因からの虐待判断の指標を明らかにし、関連機関の効果的な連携体制の構築を行う。さらに、関係者が虐待のリスク評価や連携対応について的確に判断できるアプリケーションの開発・導入を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
全国の法医学教室82ヶ所、並びに全国から無作為に抽出した合計2,857の医療機関、自治体および地域包括支援センターをそれぞれ対象としたアンケート調査票を作成し、郵送にて調査を実施した。アンケート用紙の返送により回答の得られた合計675施設の調査票を用いて解析が行われた。高齢者の身体的虐待における法医学的特徴が初めて明らかとなった。特に死亡につながる損傷の特徴および身体的虐待を繰り返し受けやすいにも関わらず外観からは発見されにくい場所についての情報は、早期発見のための法医学的情報として、各関係機関に提供することが重要であると考えられた。本調査において、関連機関同士の連携は少なく、連携を強化するためには、定期的な意見交換や虐待対応窓口の周知、予算やマンパワーの確保が求められており、双方の定期的な交流の機会が必要であることが明らかとなった。また、将来における虐待の再発防止のためには、事例のフィードバックや事後検証に関し、他機関を含めてこれらが実施可能なチームや機関などを創設することが必要であると考えられた。そのためにも、本調査で明らかとなった連携のための課題を踏まえた、各関係機関の連携体制の新たな構築が必要であることが示唆された。複雑な問題を抱える高齢者虐待事例において、包括的に対応するためには、司法関係者、行政、法医学者や社会福祉分野など異なる領域の専門家からなる高齢者虐待対応チームの創設および虐待による死亡事例の調査機関の設立の検討は、高齢者虐待予防において、また虐待の再発防止の観点からも、今後、重要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、関連機関ごとに作成した調査票を予定した数の機関にそれぞれ送付することができた。調査票の回収率が想定よりやや少なかった点は残念であるが、解析には十分に耐えられる数であり、有用な知見を得ることができた。このように、おおむね順調に進んでいるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、通所介護事業所及び特別養護老人ホームについてそれぞれ約1,000施設を対象としたアンケート調査を実施する。特にこれらの施設は虐待事例に直接触れる機会が多いと考えられ、これまでのアンケート調査項目に加え、さらに詳細な虐待所見を記載いただく調査表を作成し、発送、回収及びデータ整理を行う。さらに、すでに調査を終えた法医学教室、医療機関、市区町村及び地域包括支援センターから得られたデータとの比較検討を行う。また、東京医科歯科大学及び京都府立医科大学法医学教室で扱った高齢者虐待等による法医解剖事例について、口腔内所見を含めた顎顔面・口腔領域の外傷所見の採取を行っていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)