Project/Area Number |
23K24710
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Project/Area Number (Other) |
22H03452 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
前澤 仁志 関西医科大学, リハビリテーション学部, 准教授 (80567727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 雅之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任教授(常勤) (30372626)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
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Keywords | 嚥下 / 誤嚥 / ブレイン・マシン・インターフェイス / ニューロモデュレーション / 脳波 / 嚥下機能 / 脳機能解析 / 周波数解析 / ブレイン・マシーン・インターフェース / 随意運動 / 舌 / 機械学習 / 機会学習 / AI |
Outline of Research at the Start |
超高齢先進国である日本では、嚥下機能障害が健康寿命を引き下げ喫緊の社会課題となっている。本研究では以下の3つの目的を達成することでテーラーメード型(個別型)の嚥下機能再建法を確立し、高齢者の健康寿命延伸を図る。 1. AI技術を用いて嚥下機能に特有な脳律動性反応を明らかにする。2. 脳律動性反応から被験者の嚥下意図を解読し嚥下関連筋を制御・補助する嚥下ブレイン・マシーン・インターフェース(BMI)を確立する。3. 両側半球脳刺激法用いて嚥下機能に関わる脳領域を活性化し嚥下機能向上を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、健常者や高齢者の摂食嚥下機能の中枢制御機構ならびに嚥下機能向上に結びつく下記の成果を得た。圧センサーを用いて圧変動に伴うリズムと脳反応との脳反応―圧コヒーレンス解析(Cortico-force coherence, CFC)システムを構築した。従来の脳反応―運動コヒーレンス解析(Cortico-kinematic coherence, CKC)では、加速度計測装置を対象とする身体部位に設置し運動を評価している。しかし、舌を反復運動させると舌運動に伴う顔面領域の筋活動がノイズとなり、脳反応の波形を歪めるという欠点があった。そこで、われわれは、微弱なリズミカルな圧変化を圧センサーで検出し、脳信号と圧とのコヒーレンス解析を行った。対象部位は、右親指、右足、舌で、被験者には一定のリズムでセンサーに圧を付与するように指示した。親指と足の運動と脳反応とのコヒーレンスは左半球(対側半球)に認められた。一方、舌運動と脳反応とのコヒーレンスは両側半球に認められた。電流源の分布は体性感覚運動野におけるホムンクルスに従い、頭頂部から側頭部に向かって、足、指、舌と並んでいた。本CFC手法は、大きな運動や強い力を必要とせず、四肢や口腔領域の感覚運動障害の患者に広く適応することが可能という利点がある。さらに今年度は、高齢者180名を対象に大規模の口腔機能測定を行った。口腔機能測定の項目として、安静時反復唾液検査、舌圧、口腔機能測定、残存歯数の測定を行った。今後は、嚥下機能の高い高齢者をを対象に舌CFC計測を行い、高齢者における嚥下や誤嚥の中枢制御機構の解明を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者の摂食嚥下機能の中枢制御機構解明ならびに高齢者の嚥下機能向上に結びつく下記の成果を得ており、研究はおおむね順調に遂行できている。今年度は、運動時の微弱な圧と脳波とのカップリングを計測する脳反応―圧コヒーレンス解析(Cortico-force coherence, CFC)システムを構築した。このシステムは、大きな運動を行う必要がなく、微弱な圧での計測が可能なため、計測部位(脳)と距離の近い口腔領域の脳機能解析には特に有利である。また、微弱な運動での計測が可能なため、感覚運動障害の脳機能評価に有利であり、四肢や口腔など幅広い領域への臨床応用が見込まれる。また、健常者25名を対象に舌随意運動時の事象関連脱同期・同期反応の計測を行い、現在解析を行っている。さらに、高齢者180名を対象に大規模の口腔機能測定を行った。次年度以降も縦断的に大規模研究を行い、嚥下機能や口腔と全身機能との関連を明らかにしたい。次年度以降には、学会発表や論文化を目指している。今後、我々が開発した嚥下機能評価法や口腔運動時脳機能解析法を有機的に融合し、新規嚥下機能再建法の確立に臨床応用する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、運動時の微弱な圧と脳波とのカップリングを計測する脳反応―圧コヒーレンス解析(Cortico-force coherence,)システムを構築した。このシステムは、大きな運動を行う必要がなく、微弱な圧での計測が可能なため、計測部位(脳)と距離の近い口腔領域の脳機能解析には特に有利である。今後は嚥下時の脳反応―圧コヒーレンス解析により嚥下時にはどのタイミング(時間)でどの皮質領域(空間)の活動が関与するのかを詳細に明らかにし、精緻な摂食嚥下機能の脳内制御機構を明らかにしたい。また、CFC解析は、微弱な運動での計測が可能なため、感覚運動障害の脳機能評価に有利であり、四肢や口腔など幅広い領域への臨床応用が見込まれる。今後は、四肢や口腔領域における感覚運動障害の脳病態解明を行いたい。さらに今年度は、高齢者180名を対象に口腔機能(安静時反復唾液検査、舌圧、口腔機能測定、残存歯数)の測定を行った。次年度以降も縦断的に大規模研究を行い、嚥下機能や口腔機能と全身機能との関連を明らかにしたい。また、昨年度には歌唱経験者を対象とした嚥下機能解析により、高齢者において歌唱トレーニングが嚥下機能維持に有効であるという結果を得た。また、昨年度に多点同時評価可能な“機械学習を用いたキャプチャーモーションによる口腔運動―脳信号コヒーレンス解析手法”を開発した。これらの成果を発展させ、今後は、高齢者の嚥下機能維持に効果的な歌唱訓練法を開発したい。さらに、歌唱経験者を対象に嚥下時の脳磁図計測を行うことで、歌唱トレーニングがどのように口腔咽頭領域(末梢)や皮質領域(中枢)に影響し嚥下機能維持に作用するのかを明らかにし、口腔運動による嚥下機能向上のニューロエビデンスを解明する。
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