Project/Area Number |
23K24740
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Project/Area Number (Other) |
22H03483 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
樋口 貴広 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30433171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 和伸 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (10589823)
児玉 謙太郎 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (20734411)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 歩行 / 複雑性 / バーチャルリアリティ / 三次元動作解析 / 高齢者 / 衝突回避 / 転倒予防 / 協調性 |
Outline of Research at the Start |
高齢者が障害物との衝突を回避する際,必要以上の空間マージンを空けて,いわばオーバーリアクションで衝突を回避することが数多く報告されている(保守的方略)。保守的方略は,衝突のリスクを下げるという点では理にかなっている。しかし,それによりバランス管理が難しくなることに加え,関節間協調性が低下するという指摘もあり,柔軟な動きの変化が取りづらい姿勢となっている可能性がある。本研究ではこうした問題に着目し,高齢者に対して状況に応じた最適な調整の機会を提供することが,加齢に伴う複雑性・適応性の低下に対して一定の歯止めをかけることにつながるのではないかという仮説を検証するために行っている。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究(a)バーチャルリアリティ(VR)環境下での衝突回避トレーニングが協調性の改善に及ぼす影響の検証 本研究室で継続使用してきたスクリーン型VRシステムを,床面にも映像を投影できる2面型スクリーンに発展させることで,段差またぎ動作を評価できるようにした。実験課題では,対象者が足踏みをしながら動く映像を観察し,段差が足元に近づく際に跨ぎ動作を行うことを求めた。実験の1つとして,映像が流れている最中に段差の高さが変化し,対象者がそれに合わせて衝突回避動作を修正する経験が,衝突動作中の全身協調性を改善するかについて検討した。その結果,左右の足でまたぐ段差が異なるような複雑な変化を多く経験することで,関節間の協調性が高まることを,Uncontrolled Manifold(UCM)解析により明らかにした。 研究(b)過度な回避傾向と動作の複雑性・多様性の関連性 研究(a)昨年度の研究では,実環境下での段差跨ぎ動作における高齢者の身体協調性を,UCM解析により記述し,過度に足を挙げて段差をまたぐ傾向との関連性について検討した。その結果,身体協調性が低い人ほど,下肢を高く上げすぎるという保守的な回避戦略conservative strategy)をとることがわかった。保守的な回避行動は特定の動きを反復し,多様性の低い動きを誘導する可能性がある。したがって,保守的な戦略を習慣的に反復することは,協調性を低下させる要因の一つである可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度研究の第1目的は,スクリーン型VRシステムを1面仕様から2面しようとすることで床に段差を投影し,段差またぎ動作を測定・評価できるようにすることであった。2つの実験を用いた検討の結果,段差またぎの際の映像速度について,実環境下の歩行時の速度よりも約25%を減速させることで,比較的実際の段差またぎに近い動作が再現できることを特定した。第2目的は,身体協調性を評価するUCM解析について,実環境下およびVR環境下のいずれの動作においても導入することであった。これについても,2つの実験から解析がスムーズに進むことを確認した。第3目的は,段差をまたぐ際のいわゆるオーバーリアクション傾向(保守的な回避戦略)が,身体協調性を下げるという仮説を検証することであった。これについても,実環境下での実験によって仮説がおおむね支持された。以上3つの研究から,本年度についてはおおむね順調に研究が遂行されたと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究(a)については,本年度得られた成果を発展させることを目的として,(1)関節間の協調性の改善は,実環境下の衝突回避動作にも転移するか,(2)対象者が高齢者であっても同じ動作を表現できるかを検証する。研究Bについては,保守的な回避行動を矯正することによって協調性の改善が認められるかを,健常高齢者を対象に検討する。具体的には,段差をまたぐ瞬間のクリアランスの目標(つま先と段差の距離;エンドポイント)を一定にしたうえで,接地位置を柔軟に変更させるための誘導を行う。その後に測定した身体協調性が改善するかを測定する。
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