Project/Area Number |
23K24757
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Project/Area Number (Other) |
22H03500 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
窪田 慎治 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 モデル動物開発研究部, 室長 (40835419)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | Sensory gain modulation / 運動制御 / 小脳内部モデル / 楔状束核 / sensory gain modulation |
Outline of Research at the Start |
本研究は小脳に伝達される固有感覚情報を手掛かりに、行動学、電気生理学、光遺伝学的手法を用いて、小脳を介した予測的な運動の制御に固有感覚フィードバックが果たす役割について検証を行う。具体的には、マカクサルを対象に、上肢の固有感覚の一次中継核である延髄副楔状束核の神経活動を随意運動中に記録し、運動中に小脳が受け取る固有感覚情報を明らかにするとともに、遺伝学的手法(光遺伝学・化学遺伝学)を用いた介入操作により、延髄楔状束核への遠心性入力を抑制することで、その感覚情報を用いた小脳を中心とした運動制御機構の動作原理を理解することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小脳に伝達される固有感覚情報を手掛かりに、行動学、電気生理学、光および化学遺伝学的手法を用いて、小脳を介した予測的な運動の制御に固有感覚フィードバックが果たす役割について検証を行う。具体的には、マカクサルを対象に、上肢の固有感覚の一次中継核である延髄副楔状束核の神経活動を随意運動中に記録し、運動中に小脳が受け取る固有感覚情報を明らかにするとともに、遺伝学的手法を用いた介入操作により、延髄楔状束核への遠心性入力を抑制することで、その感覚情報を用いた小脳を中心とした運動制御機構の動作原理を理解することを目的とする。 研究期間の2年目である2023年度は、延髄楔状束核から神経活動を記録するために必要な実験装置を取り付けるため、外科的手術を3頭のマカクサルに実施した。その内2頭のサルから、課題実施中に大脳皮質、延髄の神経活動記録を行なった。また、並行して、化学遺伝学的手法を用いた大脳皮質ー楔状束核間における神経活動の操作方法の確立を行った。2頭の個体において、アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)を用いて標的脳部位(大脳皮質感覚運動野)への遺伝子導入を行い、皮質ー脳幹ー脊髄における体性感覚信号のトップダウン制御回路を解剖学的検討した。 研究成果として、延髄楔状束核の機能に関しては、運動時に固有感覚および皮膚感覚信号を抑制する働きがあることが明らかとなった(Kubota et al., Cell Reports, 2024)。皮質ー脳幹ー脊髄の解剖学的結合に関しては、皮質領域に応じて、楔状束核への投射部位が異なることが明らかとなった(Kubota et al., NCM2023)。今後は、化学遺伝学による介入実験を本格的に進め、体性感覚と運動制御および学習との関係を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、2頭のマカクサルの大脳皮質、延髄から神経活動の記録を実施している。今後、実験を継続することで、研究データの蓄積が可能であり、論文化に向けた解析等を進めていく予定である。さらに、化学遺伝学的手法を用いた神経細胞の活動操作に関しては、2頭の個体で大脳皮質へのAAVウイルス注入実験を行い、大脳皮質から楔状束核への軸索投射部位を確認できている。この知見をもとに、遺伝子発現領域への薬液直接投与を行い、神経活動の操作とそれに伴う行動の変化について検証を行う予定である。 以上のことから、研究計画全体は概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、運動課題遂行中の2頭のマカクサルの大脳皮質、延髄楔状束核から、神経活動記録を継続して実施する。また、上記に並行し、化学遺伝学的手法を用いた介入操作を行う。アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベク ター)を用いて抑制性の人工受容体を大脳皮質感覚運動野に注入し、タンパク質を発現した神経細胞軸索へのデククロクロザピン(DCZ)の直接投与により、大脳皮質から楔状束核への信号伝達の遮断を行う。まず、大脳皮質運動野、感覚野それぞれにAAVウイルスを注入し、標的とする脳領域への人工受容体を発現させる。その後、延髄楔状束核へDCZを注入し、神経活動の変化を確認する。特に、DCZ注入による延髄楔状束核での感覚抑制現象を観察することで、行動に応じた体性感覚情報の処理を担う神経機構を明らかにする。
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