Project/Area Number |
23K24768
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Project/Area Number (Other) |
22H03511 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡村 裕彦 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (20380024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十川 千春 広島工業大学, 生命学部, 教授 (10253022)
江口 傑徳 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (20457229)
大森 一弘 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20549860)
池亀 美華 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (70282986)
福原 瑶子 (内田瑶子) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60779742)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | 細胞外小胞 / 歯周病 / 胎盤 / 胎児 / VEGFR1 / マクロファージ / 歯周病原菌 / 細胞外分泌小胞 / 発育 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,「歯周病(原菌)が胎盤と胎児の組織形成にどのような機序で影響を及ぼすか」について,『細胞外分泌小胞』に着目して解明を行う。歯周病原菌が感染したマクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』が胎盤および胎児に移行し,著しい成長阻害を誘導することを見出した。『細胞外分泌小胞』が胎盤や胎児の組織形成に与える影響について,質量分析,細胞組織学的手法,イメージング技術を用いて解析する。本研究成果を基に,母子の健康状態の維持と正常な成長発育における理想的な口腔環境の構築を目指し,健康医学に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
胎盤は母体と胎児を結び,血液を介して栄養・代謝物,ガスの交換を行う精密な組織である。胎盤は小分子の通過を制御して母体の健康状態と胎児の成長発育において重要な役割を担っている。歯周病は口腔のみならず全身の健康状態に影響を及ぼす炎症性疾患である。妊娠中の母体が歯周病に罹患すると,母体の高血圧や腎臓・肝臓の機能障害などの疾患のみならず胎児の成長発育を阻害するが,その詳細な分子機構は分かっていなかった。我々は,歯周病原菌が感染したマクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』が胎盤および胎児に移行し,著しい成長阻害を誘導することを見出した。そこで,『細胞外分泌小胞』の組織障害性とその動態に着目して,歯周病(原菌)が胎盤と胎児の成長を阻害する分子メカニズムを解明を目指した。 歯周病原菌感染マクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』を注入した妊娠マウスでは,胎盤と胎児の成長発育が著しく阻害された。この影響は,歯周病原菌本体を注入した場合の影響よりも強い傾向が認められた。『細胞外分泌小胞』は胎盤と胎児の成長発育に大きな影響を与える因子と考えられた。 本年度は,歯周病原菌感染マクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』を注入した妊娠マウスにおいて胎盤の血管構造の乱れが生じる要因について詳細に解析した。胎盤組織をホモジナイズし,蛋白質を抽出した。また,数ミリ角にした胎盤組織を培養液中で数時間培養し,その上清中に放出される『組織由来の細胞外分泌小胞』を回収する。これらのサンプルに含有される蛋白質の種類と量を世界最高水準の質量分析器を用いて網羅的に解析した(協力:がん研究会・植田幸嗣博士)。得られたデータについてプロテオミクス解析した。その結果,血管形成関連因子(VEGF, Angiogeninなど)に変動を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
歯周病原菌感染マクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』投与群の胎児の成長発育は有意に抑制されることを見出した。この要因を明らかにするため,組織切片と骨格透明標本(骨・軟骨を染色後に透明化)を作製できた。また,各臓器からRNAを抽出し,分化マーカーの発現をqPCRで比較検討し,各臓器の形成・発達度や骨形成度に対する歯周病原菌感染マクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』の影響を調べることもできた。また,胎盤で変動する因子のプロテオミクス解析も行い,データを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,歯周病原菌感染マクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』の胎盤・胎児への移行と標的細胞について解析する予定である。具体的には,蛍光バイオイメージング装置 (IVIS spectrum)による解析を行う。妊娠マウスに赤色蛍光標識した歯周病原菌感染マクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』を静脈内投与する。IVIS spectrumを用いて,赤色蛍光のシグナルを指標に胎盤・胎児への移行を調べる。通常,妊娠マウスの子宮には複数の胎盤・胎児が存在する。これらを摘出し,歯周病原菌感染マクロファージ由来の『細胞外分泌小胞』のシグナルの分布や集積度を測定し,胎盤・胎児の成長発育の度合いとの相関性を調べる。
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