Project/Area Number |
23K24771
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Project/Area Number (Other) |
22H03514 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
西山 成 香川大学, 医学部, 教授 (10325334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 博之 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80438291)
高橋 和男 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90631391)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 夏眠様反応 / 老化 / 加齢疾患 / メタボローム / 浸透圧 / 夏眠 / 代謝変化 / 健康寿命 / 生体防御反応 |
Outline of Research at the Start |
環境の変化やストレスに対する恒常性が破綻すると、老化や加齢性疾患が生じる。これに対して申請者は最近、肺魚や両生類が持つ「体液保持のために夏眠する能力」の一部が、陸上高等動物である我々にも保存されていることを発見し、「夏眠様反応」と名づけた。さらに最近、体内に潜在している夏眠様反応が、生活習慣病における生体の恒常性維持に重要な役割を果たしていることを見出した。そこで本研究では、生体防御能力・「夏眠様反応」の制御メカニズムを解明し、老化や加齢性疾患との関連を明らかにする基盤研究を実施し、全く新しい学術領域の創出となり、QOL の向上や健康増進プロモーションにつなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
環境の変化やストレスに対する恒常性が破綻すると、老化や加齢性疾患が生じる。これに対して申請者は最近、肺魚や両生類・爬虫類が持つ「体液保持のために夏眠する能力」の一部が、陸上高等動物である我々にも保存されていることを発見し、「夏眠様反応 (aestivation-like response)」と名づけた。さらに最近、体内に潜在している夏眠様反応が、生活習慣病における生体の恒常性維持に重要な役割を果たしていることを見出している。そこで本研究では、生体防御能力・「夏眠様反応」の制御メカニズムを解明し、老化や加齢性疾患との関連を明らかにする基盤研究を実施することを目的とした。本研究期間中では、「夏眠様反応」の全容解明に向けた基盤研究とし、肺魚、マウス、培養細胞を使用した基礎実験、ならびに臨床研究(将来の宇宙研究の準備も含め)を実施するが、2023度の研究実績は以下の通りである。1.肺魚を泥上に移して人工的に夏眠を誘導し、採血して網羅的なメタボローム解析実施した。2. 浸透圧センサー TonEBPの転写活性をルシフェラーゼの蛍光強度で定量化できる培養細胞システムを作製した。3. 自然発症高血圧ラットでは「夏眠様反応」の以上が生じており、これが血圧の上昇に関わっている可能性について明らかとした。4. 国際宇宙ステーションで宇宙飛行士の健康と「夏眠様反応」の関連についての検証に向け、JAXAの最終承認を得たので、臨床研究プロトコールを作成して香川大学倫理委員会へ申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺魚を用いた研究では、アフリカからの輸入が一部困難となったため、カミハタ養魚店を通じて輸入する措置を講じ、研究を続けることが可能となった。培養細胞実験、マウス・ラットを使用した病態モデル実験、ヒトでの検証においては、それぞれ設定したマイルストーンをほぼ達成していると考えられる。マウスの実験については、一部病態モデルや遺伝子改変ターゲット因子を変更して継続している。TonEBPの転写活性を蛍光で可視化できるマウスを用いたバイオアッセイ システムを確立したので、今後はこれを用いた実験に集中する予定である。国際宇宙ステーションで宇宙飛行士の健康と「夏眠様反応」の関連についての検証については、2023年度にJAXAの最終承認を得たので、臨床研究プロトコールを作成して香川大学倫理委員会へ申請している。2026年度以降の打ち上げに向けてここまでは順調に進んでいるが、最近、JAXAにおける臨床研究のルールが変更となったので、それに対応していく必要が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
肺魚を「夏眠」させた時の経時的採血に加え、夏眠前、夏眠後2週間、2ヶ月の個体から肝臓、骨格筋、脂肪の組織を採取し、採血の網羅的解析で発見された物質Xの臓器での代謝変化の解明に集中する(物質Xについては特許出願準備中)。遺伝子改変マウスの実験では浸透圧センサーTonEBPの転写活性を蛍光で可視化できるマウスを使用し、様々な病態モデルにおいて高食塩食 + 生理的食塩水投与による異化反応(カタボリズム)が、増強、減弱、あるいは生じないのかについて同定し、病態における各臓器のTonEBPの役割を明らかとする。併せて、ノルエピネフリンやアドレナリン受容体拮抗薬の作用を同定することにより、交感神経の関与の確証を得る。同様に、TonEBPの転写活性を蛍光で可視化できる培養細胞を用いたバイオアッセイ システムを使用し、TonEBPの分子生物学的な役割を明らかにする。これに並行して、JAXAとの国際宇宙ステーションの臨床研究について、香川大学倫理委員会の承認後、JAXAの倫理委員会に申請し、2026年以降の打ち上げで実施予定の宇宙実験に備える(実証期間は未定である)。
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