Project/Area Number |
23K24776
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Project/Area Number (Other) |
22H03519 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
吉田 成一 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (40360060)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 加熱式たばこ / 雄性生殖機能 / グリセロール / プロピレングリコール / 精子 / マウス / 回復 / 精子性状 / 造精機能 / IQOS / 吸入 / 雄性生殖系 / 免疫系 / 寄与物質 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、加熱式たばこの使用が男性生殖機能にどのような影響を与えるかについて実験動物を用いて明らかにするとともに、加熱式たばこに含まれるどの様な成分が影響発生物質であるのか、どの様なメカニズムで影響が生じるのかを明らかにする。また、男性の生殖系への影響軽減に寄与することも目的としており、加熱式たばこによる男性生殖系への影響が回復可能であるかについて科学的知見を得る。 影響発生因子が明らかにされた場合、原因物質を取り除くことにより、健康リスクを低減させることが可能となる。さらに、影響発生メカニズム解明により生じる健康影響に対する予防法、治療法の開発の手がかりとなる。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で雄性マウスに加熱式たばこを曝露すると造精機能の低下などが生じ、雄性生殖系に悪影響が生じることを明らかにした。しかし、加熱式たばこの曝露による雄性生殖系への影響が不可逆的な影響か、可逆的な影響かは不明である。そこで本研究では、雄性マウスに加熱式たばこの曝露を行い、その後、清浄空気中で飼育することにより雄性生殖系への影響が回復するかについて検討した。 5週齢の雄性マウスを用い、実験群はControl群、IQOS群、R-Control群、R-IQOS群とした。IQOSの曝露条件はIQOS群、RIQOS群に加熱式たばこ(IQOSヒートスティック:レギュラー)を1回4スティック、週5回の曝露を行い曝露期間は8週間とした。R-Control群、R-IQOS群はその後4週間清浄空気中で飼育し、雄性生殖系への影響を検討した。雄性生殖系への評価は精巣組織像解析、造精機能解析(1日精子産生能:DSP、1日精子産生量:DSN)、精子性状解析、性ホルモン濃度解析、精巣における遺伝子発現解析で行った。 加熱式たばこをマウスに曝露し、雄性生殖系への影響を検討したところ、前回の結果と同様に、IQOS群ではControl群と比較して、精巣組織の障害の増加、DSPの低下により有意な影響が認められた。4週間清浄空気中で飼育したR-IQOS群ではR-Control群と比較して精巣組織、DSPで有意な影響は認めなかった。しかし、RIQOS群のDSN、一部の精子性状への影響はIQOS群で生じた影響と同様に生じており、完全に回復しなかった。以上の結果から、加熱式たばこの曝露により生じる雄性生殖機能への影響は、4週間の清浄空気中の飼育で回復することが示されたが、その回復は完全ではないことも示唆された。今後、加熱式たばこ特有の成分が雄性生殖機能に影響を与えるか否か評価する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加熱式たばこの吸入曝露を行ったところ造精機能の低下、精子性状の悪化など、雄性生殖機能の悪化が認められた。また、雄性生殖機能の悪化は、吸入量に依存して影響が強いこと、影響が可逆的であることも見いだした。当初計画の通り、研究を推進し、一定の知見を得ることができ、次年度、当初計画に従い原因物質の探索を試みる。
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Strategy for Future Research Activity |
加熱式たばこの曝露により、雄性マウスの生殖機能が低下する知見を得たが、その影響がどの様な成分によるか不明である。燃焼式たばこの主要な化学物質であるニコチンや一酸化炭素、アクロレインやトルエン濃度は加熱式たばこでは低減されているが、グリセロールは燃焼式たばこの約2倍、プロピレングリコールは数十倍以上であるとされている。グリセロールは食品添加物、プロピレングリコールは化粧品や吸収促進剤として使用され、比較的毒性は低いと考えられているが、加熱して蒸気を吸引した際の影響に関するリスクは明らかになっておらず、雄性生殖機能への影響について解明が必要である。 そこで、令和6年度は、加熱式たばこの含有成分であるグリセロール、またはプロピレングリコールを雄性マウスに対し、吸入曝露を行うことで生じる雄性マウス生殖系への影響について精子性状解析や造精機能の測定、遺伝子解析、精巣組織造の観察を行い、加熱式たばこの曝露により生じる雄性生殖系の影響の原因物質であるか明らかにする。
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