Project/Area Number |
23K24780
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Project/Area Number (Other) |
22H03523 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
梅澤 啓太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30505764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 ゆり 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (00216574)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | プロテオミクス / 酸化ストレス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、近年新たに発見されたタンパク質の超硫黄修飾現象(システイン残基への硫黄原子の余剰付加現象)に着目し、その未知なる性質や生体内での存在レベル、疾患との関連を包括的かつ網羅的に解明するための技術基盤の構築と生体試料計測への応用を目的とし、タンパク質の超硫黄修飾現象という観点からの新しい疾患発症研究や健康科学研究の開拓を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、検体中の超硫黄修飾タンパク質の網羅的検出法の確立に向けて、生体試料中の超硫黄修飾タンパク質の前処理法や標識法の最適化に向けた条件検討を行った。質量分析装置によるプロテオーム解析に際しては、検体の処理から超硫黄構造へのタグ化試薬の標識ならびに測定まで多くの工程を経て行われるため、各工程に対する最適化条件の検討が重要である。そのなかで本年度は、特にタンパク質抽出やタンパク質の酵素消化時における添加剤の効果や、タグ化試薬の超硫黄修飾部位への標識条件、各実験工程の順序を中心に諸検討を行った。まずは標品タンパク質として超硫黄化したヒト血清アルブミンを用い、超硫黄タグ化試薬を各種実験条件に基づいて反応させ、酵素消化の後にナノ高速液体クロマトグラム質量分析装置(nanoLC-MS/MS)による解析実験を行った。結果、これらの実験条件の一部が超硫黄タンパク質の検出感度や同定結果に大きく影響を及ぼすことを発見した。そしてその影響を詳細に検討した結果、改良したプロトコルに基づくことで、ヒト血清アルブミン中の超硫黄修飾構造の検出感度を従来の数倍以上に向上させることができるという結果を得ることができた。同様に、超硫黄化したヒト血清アルブミン以外のタンパク質においても同様の結果を得ることができた。以上より、各種前処理工程の精査が分析結果の向上に寄与する可能性を示唆できたことから、翌年度以降の研究指針の立案に大きく貢献する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度得られた結果の一部は当初は予想していなかったものを含んでおり、その理解や検証実験に時間を要したが、一方で本研究の中核にかかわる重要な実験結果の一部を得ることができたため、次年度以降の戦略的な研究計画立案が可能となった。これらを総合して、おおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
概要に示した本年度の実験結果の一部は、当初の想定していなかった効果である。これは、いくつかの工程は一般的なプロテオーム解析時にはあまり留意されることがないファクターであったためであること、またタンパク質の超硫黄構造の性質や安定性に関してはいまだに未知の事象が多いためと考えられる。従って、本研究を遂行する上では、予期せぬ結果を含めた実験結果の解釈と検証実験の積み重ねが重要であることを意味する。次年度はこの点を詳細に掘り下げることで、実サンプル中での実態がつかみにくい超硫黄タンパク質の検出および解析に対する重要な知見を得ることを目指す。さらに、マウスやラットの臓器など実際のサンプルを用いた測定系の構築を見据えて、各種検体からのサンプルの抽出や前処理法の最適化実験にも着手し、臨床超硫黄プロテオーム解析に向けた予備実験を遂行する。
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