Project/Area Number |
23K24781
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Project/Area Number (Other) |
22H03524 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
丸山 光生 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, センター長 (00212225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦見 昭彦 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 研究推進基盤センター, 室長 (70404019)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 個体老化 / 免疫老化 / 老化リンパ球 / 免疫記憶 / クロマチン・エピゲノム解析 |
Outline of Research at the Start |
Covid-19やインフルエンザウイルス感染症対策に限らず、罹患後の高齢者が重症化の原因のひとつとされるワクチン効果の維持や低下の予防は高齢先進国の我が国には喫緊の課題である。本研究は高齢者に顕在化する免疫系の老化の仕組みの解明を免疫老化関連遺伝子の機能解析に加えて、加齢とともに変化する老化リンパ球の多様性に注目し、そのエピジェネティクな視点も交え加齢特性を解析する。加えてワクチン効果を担う免疫細胞のひとつ、記憶B細胞の生体内の維持機構や応答性、さらには抗体産生細胞の抗体産生能低下のエピゲノム要因を明らかにすることも高齢者に対する免疫応答の新たな再活性化方法を開発するために必須である。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年のパンデミックに限らずウイルス等による感染症の罹患後に顕在化する免疫機能の低下は高齢者が重篤化しやすい原因と考えられ、この免疫老化メカニズムの解明はわが国においても喫緊の課題である。本研究の核心は加齢とともに変化する老化リンパ球の多様性をエピジェネティックな観点から加齢特性を解析することである。最終的には高齢者の生活の質を改善し、再発性感染症、慢性炎症性疾患および癌を含む様々な病気の予防、そして免疫応答の新たな再活性化方法を開発することをめざして研究を継続している。 研究目的としては、①B細胞老化におけるエピジェネティックな変化とDock11の連関、②記憶B細胞の老化と免疫記憶の維持との関連、③免疫応答の加齢変化における低下と老化リンパ球の関連、それぞれにおいて研究結果を積み上げている。 今期は老化リンパ球におけるクロマチン・エピゲノム解析の必要性を示し、B細胞の老化におけるエピジェネティックな変化について解析を進めた。これまでに老化した組織内の特殊な細胞の老化は、PcGタンパク質の機能低下に関連することが示唆されていたが、GC B細胞の応答とメモリーB細胞の形成は、ポリコーム活性に依存することが明らかになった。PcGの発現は老化したB細胞前駆細胞で大幅に減少するため、成熟したB細胞でのポリコームの低下が高齢者のB細胞の反応低下の主要な決定要因である可能性がある。今後はトランスクリプトーム全体の分析と組み合わせて、B細胞におけるPcG調節遺伝子発現に対する加齢の影響を明らかにしたい。また免疫老化における老化リンパ球の存在と免疫応答の基盤データを収集するためにp16ink4Aを発現する細胞を選択的に制御できる新規老化細胞可視化制御ノックインマウスについては hCD2抗原を表面マーカーにしたものに加え、tdTomatoとhDTRをノックインした新たなモデルマウスを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度より研究実施計画の①B細胞老化におけるエピジェネティックな変化とDock11の連関では、C57BL/6野生型マウスと対になるDock11欠失マウスの飼育が順調に行えず、Dock11欠失マウスの加齢個体が十分調達できないことを報告した。本報告においても十分な繁殖ができておらず、予定が遅れていることの原因になっている。また2023年6月末に研究協力者として研究推進の要であった杉山研究員が離職し、戦力的に多くの研究で遅延が散見される。一方老化メモリーB細胞の排除が高齢動物の抗原抗体反応を改善するか否かについてはhCD2あるいはtdTomatoノックインマウスを用い、in vivoで老化したink4A発現B細胞(濾胞、辺縁帯、B-1B細胞、記憶B細胞)をセルソーティングして分離することで、ink4A陰性の対応するB細胞とともに、RNA-seqによる全トランスクリプトーム解析が可能と考えている。本件については、老化細胞の排除が老化中のB細胞免疫応答を改善するかどうかを検証することが可能になる。同時に臨床応用に使用される老化マウスのB細胞によって発現される老化関連マーカーの同定が可能になるので、今後精力的に進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当施設の遺伝子組み換えマウスの飼育管理において、繁殖条件の改善は見られたものの、研究に使用するマウスの確保については引き続き、当該研究費(間接経費も含め)による施設使用料の執行等に問題が残されており、万全を期すつもりではあるが、若干の予期しない研究環境の変化が発生する可能性は否めない。一方、研究協力者の離職によるマンパワーの低下は引き継ぎができない状況で6ヶ月間続いたものの2024年1月より、補充人員が確保され、現在は研究環境の適応を急いでいるところである。それ以外の研究計画の変更あるいは遂行する上での特段の問題点は存在しない。
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