Elucidation and regulation of the senescence-accelerating function of coagulation system
Project/Area Number |
23K24793
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Project/Area Number (Other) |
22H03536 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
平野 勝也 香川大学, 医学部, 教授 (80291516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉原 琳 香川大学, 医学部, 准教授 (00341438)
橋本 剛 香川大学, 医学部, 助教 (80380153)
山下 哲生 香川大学, 医学部, 助教 (80444727)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 廊下 / 凝固因子 / 受容体 / インスリン抵抗性 / 老化 / プロテイナーゼ活性化型受容体1 / 遺伝子発現 / 貯蔵部作動性カルシウム流入 / インスリン分解酵素 / マイクロアレイ解析 / RNA干渉法 / 血管内皮細胞 / 細胞間接着 / カルシウム |
Outline of Research at the Start |
凝固因子の細胞作用を担うプロテイナーゼ活性化型受容体1(PAR1)の老化促進因子としての役割を、培養細胞実験および動物実験を用いて明らかにし、凝固系およびPAR1の活性制御による新たな抗老化戦略を開発する。PAR1欠損マウスでは加齢に伴うインスリン抵抗性、活動性の低下、毛並みの劣化などの老化の進行が抑制されていることを見出している。凝固系とPAR1の新たな視点から老化を明らかにする研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)細胞実験の実績:① 継代を重ねた老化内皮細胞において貯蔵部作動性カルシウム流入活性が亢進することの再現性を確認した。貯蔵部カルシウム流入に関与する蛋白質を明らかにするため、RNA干渉法により既知の蛋白質発現を抑制する低分子RNAを作成した。現在解析を進めている。② 低継代の内皮細胞で細胞間接着が未熟な培養早期の細胞、低継代の内皮細胞でコンフルエントに達して細胞間接着の成熟度の高い細胞、高継代の老化内皮細胞で細胞間接着が未熟化した細胞の3者で実施したDNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析で判明した細胞間成熟度と相関する候補遺伝子の発現解析を実施した。現在も解析を進めている。 2)動物実験の実績:肝臓、脂肪組織、骨格筋の3者で実施したDNAマイクロアレイ解析によって明らかになった、3臓器に共通してトロンビン受容体PAR1欠損マウスで発現が亢進する3遺伝子の一つがインスリン分解酵素であった。インスリン分解酵素を欠損するマウスではインスリン抵抗性が生じることから、PAR1欠損マウスの高いインスリン感受性はインスリン分解酵素の高い発現レベルと相関することが示唆された。また、インスリン分解酵素は、インスリンのみならず、アミロイドβも分解することから、PAR1欠損マウスでは認知症の発症も抑制されている可能性がある。このために、50週齢以上の野生型マウスとPAR1欠損マウス、さらには、それぞれの雌雄で、インスリン分解酵素の発現をリアルタイムPCR法により定量解析した。用いた標本は、脳、肺、腎臓、肝臓、脂肪組織、骨格筋の各種臓器である。その結果、すべての臓器において、インスリン分解酵素の発現は野生型マウスよりもPAR1欠損マウスにおいて有意に高いことが明らかとなった。さらに、野生型マウスの腎臓においてのみ、雄よりも雌の方がインスリン分解酵素の発現が有意に高いとの結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
老化内皮細胞における貯蔵部作動性カルシウム流入機構の亢進の発見は研究計画当初には予想していなかった結果で、この機構の解明を着々と進めている。動物実験においては、初年度に加齢に伴うインスリン抵抗性の発症がPAR1欠損マウスで抑制されることを確認したが、その機序解明のために実施した、肝臓、脂肪組織、骨格筋の代謝臓器のマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析から、PAR1欠損における高いインスリン感受性の機序となる可能性のある遺伝子としてインスリン分解酵素を見出しており、加齢性インスリン抵抗性の発症機序の解明のために着々と研究が進展している。当初、凝固系については加齢性インスリン抵抗性との関連で研究を進めていたが、その原因分子としてインスリン分解酵素が想定されるに至り、インスリン分解酵素が認知症発症に関わるβアミロイド蛋白質の分解にも関与することから、新たに凝固系と認知症との関連が示唆され、新たな研究の方向性が見いだされた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)細胞実験の計画:① 予想外の発見であった老化内皮細胞における貯蔵部作動性カルシウム機能の亢進の仕組みを明らかにいてゆく。まず、貯蔵部作動性カルシウム流入に関与する蛋白質を明らかにし、その発現と活性が細胞老化に伴ってどう変化するかを明らかにする。また、貯蔵部作動性カルシウム流入の老化内皮細胞における機能的役割を明らかにする。② 細胞間接着の成熟度を規定する因子とその仕組みの解明を進める。マイクロアレイを用いて、細胞間接着の成熟度が異なる3条件で遺伝子発現の比較解析を行った結果、細胞間接着の成熟と関連する可能性のある遺伝子(11遺伝子)についてそれぞれの発現と機能解析を行い、老化内皮細胞における細胞間接着の未熟化を規定する因子を明らかにする。 2)動物実験の計画:加齢性インスリン抵抗性の発生とPAR1との関連の仕組みを明らかにしてゆく。これまでの研究で見出したPAR1欠損マウスにおいて特異的に発現が亢進するインスリン分解酵素の発現と機能の解析を進めてゆく。この酵素はインスリンのみならずアミロイドβも分解することが知られており、また、令和5年度の解析から脳を含む全身の臓器でPAR1欠損マウスで発現高いことを見出していることから、PAR1欠損マウスでは認知症の発症も抑制されている可能性がある。令和6年度からは加齢性インスリン感受性とインスリン分解酵素の関連性の解明と合わせて、認知機能との関連を明らかにする研究を進める。具体的には、加齢に伴うインスリン分解酵素の発現変動、オープンフィールド試験・新規物体認知機能試験にPAR1欠損が関与するか否かを明らかにする。また、凝固系阻害剤がPAR1欠損マウスと同じ形質を示すかを明らかにし、加齢性インスリン抵抗性、認知症の新たな治療戦略開発を目指した研究を進めて行く。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)