Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
歩くという行為は、筋肉や関節の受容器が検知する深部感覚と、頭部の三半規管が検出する加速度、そして体の動きに付随して変化する目の網膜像、といった極めて複合的な感覚をもたらす。歩行は人間にとって最も生得的な移動手段であるが、これをサイバー空間で実現するためには、これらの身体的な感覚を提示する必要がある。本研究では、アクチュエータを用いない新たな方式の歩行感覚提示装置と、全方位の球面ディスプレイを開発し、サイバー空間における身体的ウォークスルーを実現する。そして、実在の美術館をサイバー空間に構築し、そこにおける体験者の歩行移動軌跡を分析することによって、実世界の鑑賞行動との比較検討を行う。