Project/Area Number |
23K24931
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Project/Area Number (Other) |
22H03675 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
坂本 真樹 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80302826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 円 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50317450)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 認知症 / 質感 / オノマトペ / 早期診断 / 画像 / 予防 |
Outline of Research at the Start |
最近の臨床研究で、早期認知症で質感認知機能に障害が見られることが報告されている。「さらさら」といった質感を表す際に用いるオノマトペ(擬音語・擬態語の総称)に関する能力は、高齢者が発症しやすい失語症においても損なわれにくいため、オノマトペを活用した新しい認知症早期診断技術を開発し、その有効性検証を目指す。fMRIや血液検査による方法など、高い精度の検査手法が提案されているが、本研究による方法は、低侵襲で簡便なスクリーニング手法である。オノマトペで表される微細な質感を数値化する技術を用いることにより、認知症かどうかの診断のみならず、脳のどの部位が損傷しているかを推定する可能性も検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
オノマトペ(擬音語・擬態語の総称)を用いた質感の回答による新たなスクリーニング検査法の開発のため、若年健常者と高齢者では回答の一致度が高い画像とオノマトペを参考に、提示された画像の質感をオノマトペで回答を求める実験を、順 天 堂 医 院 認 知 症 疾 患 医 療 セ ン タ ー 、脳 神 経 外 科 、脳 神 経 内科に通う、認知機能障害が疑われる患者、2023年度中までに約146 名(男性 75 名,女性 71 名,平均年齢 78.0 歳)に実施した。このうち、2023年1月~8月に順天堂医院脳神経外科を受診したiNPH及びiNPHが疑われた患者106名( 平均77.9±6.8歳)を対象にした実験結果は、第25回日本正常圧水頭症学会で研究報告を行った。MMSE、FABなどの神経心理検査とオノマトペ質感認知検査の相関を解析し、MMSEスコアに応じて28点以上 (n=39)の認知機能正常群と22~27点の早期認知障害群 (n=51)に群分けし、各検査で比較した。その結果、オノマトペ質感認知検査の合計得点は、各々の神経心理検査において中程度の相関が認められ、オノマトペ質感認知検査は両群間に有意差が認められ、ROC解析においても、オノマトペ質感認知検査は、神経心理検査による認知機能障害の同定を反映し、早期認知障害を鑑別しうることが示された。本オノマトペ質感認知検査は、言語想起能力に関連があると推察され、視覚認知に加え、記憶や前頭葉機能を反映している可能性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時点の以下の研究計画 手順1:研究室で独自に、、布製品、革製品、紙製品、植物園・公園・キャンパス内など野外で撮影した10カテゴリ(fabric, foliage, glass, leather, metal, paper, lastic, stone, water, wood)計1000枚の画像の中から100枚程度を目安に選定する。100枚の画像を大学生100名程度(1画像10名分目安)に呈示し、質感をオノマトペで回答してもらう実験を実施し、健常者ではおおよそ類似したオノマトペで質感が表現される画像を選定。 手順2:順天堂大学医学部付属順天堂医院認知症疾患医療センターの患者に、手順1で選定した画像の質感をオノマトペで回答してもらう(順天堂・電通大の倫理委員会承認のもと実施。患者数目安: 年120 人) 手順3:各画像から、認知症患者が回答したオノマトペを、健常者が回答したオノマトペの結果と比較する。さらに、認知症患者ごとに、脳の損傷部位は異なりうる。脳の損傷部位が確認されている患者のみの分析となるが、脳の機能障害部位の違いと、健常者と有意差が見られる質感尺度の関係について分析する。 手順4:提示される画像の質感をオノマトペで表現するトレーニングも可能にするアプリのプロトタイプ開発を行い、質感認知機能の低下を抑えられる可能性についても検討する。 の手順3までおおむね実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究申請時点の手順3の未実施部分「認知症患者ごとに、脳の機能障害部位は異なりうる。脳の機能障害部位が確認されている患者のみの分析となるが、脳の機能障害部位の違いと、健常者と有意差が見られる質感尺度の関係について分析する。」について、研究分担者を中心に実施する。さらに、手順4:提示される画像の質感をオノマトペで表現するトレーニングも可能にするアプリのプロトタイプ開発を行い、質感認知機能の低下を抑えられる可能性についても検討する。」については、研究代表者を中心に実施する。
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