Project/Area Number |
23K24974
|
Project/Area Number (Other) |
22H03719 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
猪股 弥生 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (90469792)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 章文 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (40344155)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,090,000 (Direct Cost: ¥9,300,000、Indirect Cost: ¥2,790,000)
|
Keywords | 大気微小粒子 / 水溶性金属成分 / 健康影響 / 越境輸送 / 国内発生源 / 越境汚染 / 金属元素 / モデルシミュレーション / 酸分解金属 / 水分散金属 / ヒトへの健康影響 / ナノ粒子 / 大気環境 / 水溶性金属 / 東アジア |
Outline of Research at the Start |
大気中の人為起源の金属微粒子は、ナノから数ミクロンの粒子に多く含まれており、広範囲の環境や人の健康に影響を与えると考えられている。しかし、実大気中ナノ粒子に含まれる金属成分の動態には不明な点が多く、その含有量の粒子径依存性や気中動態、化合物形態などの物理化学特性はほとんど明らかにされていない。本研究では、離島、都市、工業など様々な環境下で実大気ナノ粒子を採取し、粒子径別の金属成分に関するデータを蓄積するとともに、大気シミュレーションを行い、国内・越境輸送量を評価する。さらに、金属成分の粒径別溶解度特性を実験により明らかにすることで、実大気中のナノ金属に関する物理化学特性と環境中動態を解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
大気中の人為起源の金属微粒子は、ナノから数ミクロンの粒子に多く含まれており、広範囲の環境や人の健康に影響を与えると考えられている。しかし、実大気中ナノ粒子に含まれる金属成分の動態には不明な点が多く、その含有量の粒子径依存性や気中動態、化合物形態などの物理化学特性はほとんど明らかにされていない。本研究では、離島である長崎県五島福江島や都市域である川崎など様々な環境下で実大気ナノ粒子を採取し、粒子径別の金属成分や水溶性イオン成分を測定した。金属成分のヒトへの影響を評価するために、国のモニタリングなどで一般的に測定されている酸分解法と、水溶性金属成分を測定した。酸分解金属元素では、Al、Fe、Znが主要成分であったが、水分散金属では金属元素の存在比が酸分解金属と異なっていた。さらに、水分散金属は、酸分解金属に比べて小粒径側にシフトしていること、金属元素の中でも有害性(発がん性、毒性)の高い成分がより小さい粒径の粒子に多く存在していることが明らかになった。さらに、福江で観測されたPM2.5中Fe安定同位体比は-0.56~-1.89‰であり、東アジア起源粒子の鉄同位体比は-0.5~-2.2‰であることから、東アジア起源であるものと考えられた。川崎で採取された試料中の鉄の化合物形態を推定するためにXAFS分析を行った結果、100nm以下の粒子中に含まれる鉄はフェリハイドライト、マグネタイト、フィロケイ酸塩主体のモンモリロナイト、Fe(II)主体の黒雲母からなり、2.5-20㎛の粗大粒子に含まれる鉄は、フェリハイドライト、マグネタイト、フィロケイ酸塩(Fe(III)主体のモンモリロナイト)であった。川崎で採取されたこれらの試料では、人為起源の Fe 種の寄与が大きいことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠隔地と工業地域における大気微小粒子中に含まれる金属成分と水分散金属成分の粒子径分布の特徴を明らかにできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
越境輸送による金属成分の時間変動を明らかにするため、長崎県五島福江島において、冬季-春季に大気微粒子を粒子径別捕集(6分画とPM2.5)を行う。捕集期間に合わせて、大気微小粒子の粒子径濃度分布の時間変動を計測し、超微小粒子の生成・変質・混合過程を調べる。これまでの観測結果をもとに、金属成分の粒子径別の経年変化などを明らかにする。また化学輸送モデルを用いて、金属成分の越境輸送の解析を行う。
|