Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
正常な細胞でがん遺伝子が活性化すると、DNA複製ストレスが生じ、DNA複製の進行を妨げることで、ほとんどの細胞は、発がんバリアの発動により死滅する。これと並行して選択されて生き残る細胞が生成される。しかし、正常細胞がこの細胞死を逃れて生き残りゲノムの不安定性を獲得し、がんを発症するメカニズムはまだ解明されていない。本研究ではKRASG12V誘発性の慢性的なDNA複製ストレスの要因としてヘテロクロマチン化に注目し、ATR-PrimPol依存的な再プライミングを中心としたDNA複製ストレス耐性機構を明らかにし、DNA複製ストレスに応答する細胞の生存戦略の解明をめざす。